経営者と担当者の課題認識の違い【アスクラボメールマガジン2025年5月号】
以前読んだ中小企業庁の「ITベンダーの営業現場の課題」について書かれた報告の中 に、課題の一つとして「経営者と現場担当者の課題認識の違い」に関するものがあり ました。
弊社は約20年ほど前に東京支店を開設した際、東京では後発であり全く無名の会社 だったので経営陣をターゲットとして営業アプローチを行いました。無名の会社が岡 山から東京に来て、いきなり現場の管理者や担当者に営業をしたのでは門前払いされ ることになります。そこでまず、地元で経営を継続してきた実績によって構築した人 間関係を基軸に東京で経営層に会えるルートを見つけ、会いに行くところからスター トしました。これは10数年前から国内大手ITベンダー様よりご依頼を頂き現在もご好 評を頂いている弊社の「トップアプローチ研修」の核となっている部分です。
既存取引のある会社同士であれば、商品やサービスを担当部門におすすめしてそのま まご成約頂けることもあるかもしれません。しかし、新規のしかも無名の会社の商品 やサービスとなれば最初に会社として信頼を得ることが不可欠です。いきなり商品等 を紹介するのではなく、会社として「課題解決の手段」を持っていると認識してもら わなくてはなりません。商品説明はその後です。
経営層とりわけ社長は時間に追われていることが多いため、面談できるわずかな時間 で何を話すのか、について事前に準備が必要です。そんな貴重な機会に、表面的な挨 拶だけしても相手の印象にも残らず怪訝な顔をされるだけなので「課題認識能力とそ の解決手段を提供できる」ことをできるだけPRしたい場面です。このような場面で必 要な知識と準備について「トップアプローチ研修」でお伝えしています。
上記のように経営者にアプローチし、現場担当者にもお会いしていく中で多くの場合 「課題の認識」について、トップと現場との間に乖離があることに気が付きました。 上記で触れたトップアプローチ研修を人材育成部門の担当者の方にご説明した場合、 「そのような類似の研修を既に実施している。」というご感想でした。
後日、改めて人材育成・営業・技術の各部門の管理者及び経営幹部の方、30名ほどに 対してこの研修の説明を行いました。経営幹部の方からは「新規開拓には経営層又は 企画部門へのアプローチが必要。私の求めていた研修内容だ。」というお言葉を頂き ました。
また弊社のサービスで、登録される日報の中からAI診断によってリスクを発見し、 管理者に通知する仕組み(特許取得済み)があります。セミナーに参加された大手ベ ンダーの営業部門の管理者の方は「同じような仕組みを以前から研究している。」と いうご感想でしたが後日改めてこのベンダーの経営幹部の方にご説明したところ、非 常に興味を持って頂き、トライルを実施して頂くことになりました。
日頃から抱いている課題意識が違うと説明の中で気にかけているポイントも違うのだ と改めて実感した提案活動でした。同じ説明を行ったとしても聴く人によってどこに 有効性を感じるかには差異があります。現場サイドは「取り組んでいる」と考えてい ても、経営層からみると「会社としてまだ出来ていない」という認識になります。現 場としては当然、現在の活動そのものに視点が囚われがちですが経営層としては会社 全体として現時点でどういう状況か、活動の結果としての決算はどうなるかという視 点で会社全体を見ています。
弊社が10年以上に渡り大手ベンダー様にご提供し、ご好評を頂いているトップアプ ローチ研修は上記の「現場の視点」と「経営層の視点」の違いに気づいて頂き、その 上でどんな準備をすればよいかをご提案する研修内容となっています。
アスクラボ株式会社 会長 川嶋 謙

