■なんとかして社内の営業力を上げたかった

私は以前の会社でシステムエンジニア(SE)だったのですが、新人の頃は営業を数年間やっていたこともあり、ずっと営業志望でした。なぜ営業かというと、SEは営業や上司から物件をもらうわけですが、選べるほどの物件はないし、既存のお客様と数年に渡ってシステム構築をしても利益が増えていくわけでもなく、むしろ年々減っていくわけです。そこで将来のために自分が営業をやって変えてやろうと思ったのですが・・・

【年末の人事考課でのやり取り】

私  :営業に転換したいのですが!
支社長:営業なんてケーブル1本の伝票を入れるような仕事だぞ!
私  :あ・・えぇ・・まあ
支社長:SEとしての仕事は極めたのか?
私  :それなりには・・
支社長:極めてから考えなさい!

さすが支社長です。毎年見事に言いくるめられました。

■アスクラボという競合他社の出現

私がアスクラボという名前を初めて聞いたのは、常駐していたお客様先で、営業企画のTさんが血相を欠いて飛んできたときのことでした。このお客様とは5年以上のお付き合いがあり、世界レベルのSFAをやっと構築できた頃でした。

【客先でのやり取り】

Tさん:アスクラボとかいう会社がトップアプローチしてきてPROナビとかいうツールを社長が検討しろって言うんだよ! きみの会社も検討してるらしいよ!きっと海千山千だよ!調べてみて!
私  :アスクラボの川嶋社長?うちの会社も?わかりました調べてみます。

大事なお客様を取られては大変です。社内で知っている人を探して手当たり次第に情報を集めました。Tさんの証言でギラギラしたイメージの人物を想像していたのですが、出てくる話は提案型営業の研修の話や、なかなか良い話だったのです。

■いつの間にかPROナビ社内導入のプロジェクトメンバーに

確かにうちの会社にもアスクラボが入り込んでおり、ある日、うちの支社長にプレゼンするというので同席させてもらいました。初めて会った川嶋謙さんは、普通のオジサンだったため拍子抜けしましたが、内容はまさに私が日頃悩んでいたことと同じだったのです。先ほどのSFAのお客様にも共同提案することが決まり、気付けば社内PROナビ導入の検討会議の席に座っていました。

【社内PROナビ検討会議でのやりとり】

私  :営業情報を支社のSEとも共有しましょうよ。
役員Y:支社もせっかくこう言ってくれてるから検討しようよ。
営業G:うちは特定の事業部のSEとやり取りしているから間に合ってますよ。
営業S:週報が簡単に報告できるようになるなら良いが・・
役員Y:とりあえず営業本部だけで試行してみてよ。

試行導入は決まったのですが、皆これ以上入力は嫌だという感じでした。私は組織間で情報共有ができれば、明るい未来が・・・と考えていたのですが、案の定試行結果は社長用に体裁を整えられた導入見送りの内容でした。

そしてある日社長に呼ばれ・・・

社長 :反対派は無視して進めてくれ!
    全社員のプロダクトを言える社員などいないはずだ!
    組織連携の仕組みが必要なんだ!
(この時のイメージは希望の光が差し込みつつ足元は底なし沼だった)
(ここでどうしても聞きたかったことを聞いてみた)
私  :あのぅ、会社の戦略が明確でないのが問題だと思うのですが。
社長 :俺もいつもそれを本体(親会社)に言ってるんだ。
私  :そ、そうでしたか・・・・・(き、希望の光が・・)

とてもリーダシップがあり尊敬する社長だったのですが、大きな組織は悩みも大きいです。社内でこのような活動を行うと、総論賛成各論反対になることが良く分かりました。今思えば試行の時に自分も強引に入れてもらって、一つでも小さくても効果が検証できるデータを残せればまた違ったかなと思います。

そして転職により営業に転換できたのですが、今まで誰も教えてくれなかった営業という仕事の奥深さを感じております。(この話はまたいつか)

(アスクラボ株式会社 東京事務所所長 八木 さとし)