〜AI推進の前に〜「現場」の暗黙知はまだ共有されていない【アスクラボメールマガジン2026年5月号】
現在、エネルギー供給において世界の混乱を引き起こしている中東情勢。このイラン 攻撃作戦にはAIが大きく関わったとされています。作戦の実行に先立つ膨大な衛星情 報の分析について、これまでであれば数百人の分析者が数か月を要するような作業 が、米国のAI企業の提供する統合・分析の技術によって90分で完了し、攻撃実行まで の速度を大幅に短縮したという研究結果が出ているようです。しかし今回の場合は、 その効率性が世界に良い影響をもたらしたとは全く思えません。
デジタルの世界では、情報としてインプットされた情報以外は考慮されません。中東 情勢の沈静化が難しい要因として、「面子をたてる」ということをテレビの解説者が 語っているのを何度か見かけました。多くの犠牲者を出し、世界的な混乱を引き起こ している事態ですが、元々の発端は様々な思惑を持った判断権限のある人間が、意図 を持ってデータ分析を行い(或いは指示)、作戦を立て実行した結果です。AIを活用 したデータ分析と実行が効率的であったとしても、根本は人間の意図の上で実施され るものです。判断にあたり、どこまで考慮するかは関わる人間の知識と経験、理性次 第であると思います。
企業におけるAI活用・デジタル化については、IT化が進んだ大手の企業では活用され ているようですが、中小の企業では日々の業務内容について「本人に聞かないとわか らない」という環境も多いのではないでしょうか。「AIにまかせるほどまだ業務は整 理されていない・・・。」「パソコンやタブレット等のデジタルツールで情報を確認 して現代的に仕事をしたい。」「でもどこから取り組んで、どのように社内のメン バーを巻き込んでいったらいいのか分からない。」というお話を耳にすることがあり ます。
そのような環境で提供されているサービスの品質が低いということもなく、むしろ長 年のきめ細やかな対応によって顧客との信頼関係は構築されているということも多い ようです。一方で、直接対応している担当者に重い負担がかかっている場合や、情報 が共有されていない為に周囲の協力も得られず、悪循環に陥っている場合もありま す。このように、まだまだ現場には共有されていない「暗黙知」があるのではないで しょうか。
情報をデジタルで共有したからといって、個人が入社以来、現場対応等で培ってきた 実務経験による「暗黙知」が簡単に継承できるわけではありません。しかし、情報を 整理して共有することで、各々にどのようなスキルがあるのかを周囲が理解すること ができます。日常は各々が業務に従事しているので、他者が何を
しているのかはわかりづらいものですが、共有された情報を見ることで他者の業務へ の理解に繋がることや、学ぶところもあると思います。お互いの業務が全く見えない 時は疑心暗鬼になりがちですが、情報を共有することでよく見てみるとこんな作業も やってくれていたのかと、気づきが生まれます。会社の風土としてどのような情報を 集めるか、その情報をどう活用・共有するかは経営陣の判断すべき点だと思います。
上記を踏まえ、以下の課題を抱えている企業の方もおられるのではないでしょうか。
・活用したいと思う情報が集まっていない
・個人の持っている情報を入力する組織風土がない
・メンバーが日々何をしているか共有できる環境を作りたい
まずは日々の活動を共有できる環境を整えませんか。弊社では15年以上にわたり経営 陣を含む全スタッフがPRO※ナビに入力し、経営判断の基盤となるデータとなってい ます。
アスクラボ株式会社 東京支店 川嶋美由紀

