知ること、そして共感・好感を得ること【アスクラボメールマガジン】

需給ギャップが約20兆円といわれる現在、今まで当てにしていたお客様から期待していた注文がこなくなり、弊社を含めて多くの企業が頭を痛めているのではないでしょうか。

需要に対して供給側の企業が多すぎるという市場環境において、企業間競争はさらに激化しています。そのような厳しい市場環境で勝ち残り・存続していくためには、ライバル企業の攻撃から既存の取引先を守り、ライバル企業にさきがけて新たな取引先を開拓しなければなりません。

お客様に対して商品・サービスをPRし、購入していただくための営業活動も、厳しい市場環境に合わせて変化していかなければなりませんが、厳しい市場環境だからこそ、売り手側が再度見直すべき基本もあるのではないでしょうか。

【1】お客様のことを本当に知っているか?

お客様の企業概要はもちろんのこと、売上近況、利益の推移、売上・利益の増減の理由等々、それらを把握しなければお客様の課題をつかむことはできません。課題がつかめなければソリューションを提案することもできません。

【2】お客様の共感を得て、お客様に好感を持っていただいているか?

お客様への対応、訪問・面会を通して、何かしらの共感を得ることができているかどうか、あるいは好感を持っていただけるかどうかは、営業活動のみならず人間関係の構築においても非常に重要です。相手に対する共感・好感がなければ、お客様は営業課題の悩みを話したり、あるいは頼りにされたりすることは望めません。

このような行動ができていないのに、いきなり商品の売り込みや提案をしても、お客様に快く受け入れてもらうことは先ず不可能です。

これは、お客様との関係だけに生じることではなく、社内の上下関係、他部署との関係、また家庭を含めたプライベートの関係でも同じことがいえるかと思います。

例えば、上司と部下の関係であれば、部下の実績数字結果のみでなく、どのような行動をした結果の数字なのか?どのような考えを持った上の行動なのか?どのような支援を望んでいるのか?等々を、上司が知って・つかんでいるかどうかはマネジメントをする上で非常に重要です。

また部下と上司の間に共感や好感が存在しなければ、上司がいくら注意やアドバイスをしても、部下は聞く耳を持たず素直に受け入れないためその効果は薄くなります。

先ず、お客様・相手を知る。そして知った上で何らかの共感・好感を得る。その上で営業活動や提案・交渉をしなければ、聞き入れてもらえる可能性は低いのです。

市場環境・ニーズが大きく変化したにもかかわらず、お客様・相手を知らずに共感も好感も得ないままに、自社都合で前年実績に基づく売上予算を作成し、そのスケジュールを管理するというマネジメントを続ける限り、市場のニーズとはますます乖離し経営リスクは増大し、企業間競争にも勝ち残れないのではないでしょうか?

知ること、そして共感・好感を得ることは、あらためて見直すべき営業活動の第一歩であると思います。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙