システムと人間と情報共有【アスクラボメールマガジン】

私が新入社員だったころを振り返ると、当時の弊社には「PROナビ」といった情報共有・情報蓄積のためのシステムは存在せず、お客様とのやり取りや、打ち合わせ内容といった情報は、議事録などの紙ベースでしか残っていないような状態でした。

その為、新入社員が各部署へ配属されても、先輩がどのようなことをしているか、お客さんからどのような要求をされているのかが、さっぱりわかりませんでした。

もし、あの時代からPROナビがあれば、上司や先輩がどのようなユーザーへ訪問し、どのような打ち合わせをして、どのような仕事をしているのかといった状況の把握ができたのではないか、そしてもっといろいろな考え方や見方ができたのではないかと思います。

当然当時は、新入社員だけではなく、プロジェクト間においても、相互の状況について把握はできていませんでした。その結果、『あそこのプロジェクトは何をしているのか?』『あそこのプロジェクトにこんなに工数は必要ないだろう』といった、目に見えない想像のみで判断し、批判するといった状況が発生していたように思います。

しかし、今ではPROナビがあり、他のプロジェクトに関しても進捗状況、内容について確認できるため、他のプロジェクトを理解することができ、納得することも増えました。

ただ、こうは言ってもすべてがPROナビだけで回避できるものではないというのも十分理解しています。なぜなら、人間と人間の関係をひとつのシステムですべてなんとかしようとするというのは、到底無理な話だからです。

個性や生活環境などにおいて、すべて違うものが集まり、組織を作っているにも関わらず、活字やシステムだけで人と人とのつながりが事足りるというのであれば、まったく人間味のない、感情のないものになりかねません。

コミュニケーションは、システムや人との関連を適度に考えることによって、よりよい結果や方向が見つかっていくように思います。
PROナビはあくまでシステムです。人間ではありません。人間が使って成長させていく必要があると思います。
やはり人間であるからこそ「言葉」というものを大事にし、その履歴をPROナビに残すことでより有効にPROナビが利用でき、今後の活動にも活かせるのではないかと思います。

(アスクラボ株式会社 本社 ソリューション技術部主任 願念 一雄)