災害から学んだマネジメント【アスクラボメールマガジン2025年1月号】
30年近く前の出来事ですが1998年10月17日深夜から翌18日未明にかけて台風の接近に よる集中豪雨により、アスクラボの本社のある岡山県津山市の一部で床上浸水1,740 戸、床下浸水1,414戸というような大規模な水害となったことがあります。会社に向 かう道路は水没等で殆ど通行できなくなり、遠回りしてやっと会社に着くと1階の床 上まで商品含めて水に浸かり、社用車も2台流されていました。水は間もなく引きま したが床は泥だらけの状態でした。会社の状況を心配して夜中から会社に来ているス タッフもおり、交通状況の悪い中、多くのスタッフが片付けの為朝早く出勤してきま した。
夜中から片付けをはじめ、徹夜のような過酷な状況でしたが皆が生き生きした表情で 片付けに取り組んでいました。その様子を見て気が付いたことがあります。この状況 下になぜスタッフはいい表情で作業をしているのか。
理由1)自主性→誰かに指示されたのでなく、自身の判断で参加している。
理由2)明確な目的→明朝までに片付けないと業務ができない。
理由3)みんな平等→役職関係なく作業している。
金銭的には少なからず会社として被害を受けましたが「組織が積極的に動くために必 要なこと。=自主性、明確な目的、平等」ということに身をもって気づくことがで き、マネジメントにおいて大きなヒントになりました。その後、社内会議含め自己管 理中心のマネジメントに切り替えました。社内の管理業務はいくらコストをかけても 限界があります。月次決算と日常的なPROナビでの情報共有を前提に幹部会議は月1回 で時間も1時間以内と必要最小限にしました。
作業や業務の目的を明確化するために、会議においての口頭での伝達や指示のほか、 経営陣や管理者も自分の行動をPROナビに情報登録し、経営方針の浸透とそれに伴う 行動で示すようにしました。「部下が指示に従わない」のは反抗によるところが3割 で、残り7割は「理解できていない」という調査報告を目にしたことがあります。例 えば、「顧客を増やせ」と上司に指示されても反抗するよりも「具体的に何をすれば よいかわからない」という場合の方が多いのではないでしょうか。上司や管理者は自 ら行動を示すべきだと思います。そこに平等性も自身の発言への責任と信頼も生まれ ると思います。1998年の水害はその後のマネジメントをはじめとし、人材育成・会社 の風土作り・商品開発に大きく影響した出来事でした。
アスクラボ株式会社 会長 川嶋 謙
