高齢化をメリットにする仕組み【アスクラボメールマガジン2024年12月号】

高齢化をメリットにする仕組み

多くの企業において社員の高齢化が進んでいます。改正高齢者雇用安定法の成立に よって2021年4月以降は「70歳までの就業機会確保措置」が努力義務化されました。 今後も進んでいく少子高齢化を考えると、近い将来70歳までの雇用が「完全義務化」 される可能性が高いように思われます。組織のマネジメントもそのような労働環境の 変化に対応していく必要があります。

 弊社は会社設立当時より本社を岡山県北の地方都市に置いています。それ故、弊社 を選んで入社してくれたスタッフの多くは長く勤務してくれる可能性が高いです。そ のことを会社の強み・特長にしたいと考えていましたので設立当初から大手企業の下 請けの仕事や他社へ派遣する仕事を避け、自主的に営業活動を行い苦労や失敗を重ね ながら会社を運営してきました。自主営業にこだわったのは、そのことで身につく経 験やスキルが将来的に弊社の大きな財産になると考えたからです。決算書に乗るよう に数値化はされませんが会社の価値を上げるものだと思っていました。自主営業する となると様々なスキルが求められます。

・知り合いではない面識のない企業への営業活動

  どうやって接触を始めるのか

・受注に向けての提案

  どのような提案をすればお客様が費用をかけても実現したいと思うのか

・お客様との合意までの交渉

  費用や提供する内容について納得して頂くまでの提案と説明

・契約書の作成、用件定義、システム構築 

・サポート対応、クレーム対応

・経営面での資金繰り、次期の計画

経営幹部や経理総務部門を含め、弊社の全スタッフが上記のような日々経験してきた 内容とそれに対応した記録・資料を「PROナビ」というシステムに商談情報・日 報・関連ファイルとして登録しています。

これらの蓄積された情報は会社にとって大きな資産です。この情報から経営的な判 断、大手企業との対等な関係でのコラボレーション、新たなサービス・製品の開発 (トップアプローチ研修、AIリスク診断、PROナビの進化)を行っています。他 の業務がある中で毎日、日報入力を行うのを「面倒くさい」と感じることもあると思 いますがお客様との交渉が必要になった時にその情報が自分を助けてくれる場合も あったり、次の作業を効率的にしてくれることもあります。情報が共有されているこ とで必要な時に他部門の支援を受けることもできます。

ここ10年、いわば「面倒くさい」日報入力を全スタッフが継続しています。PROナ ビに情報を残すことによって労力に見合うメリットも感じているのだと思います。ま た、自分の経験・スキルを情報共有に活かせているスタッフは再雇用契約時にも有利 な条件の一つになります。年齢が上がるに伴い、体力や気力が下がっていくのは否め ません。しかし、若さと引き換えに経験という財産を積んできているはずです。言い 換えると経験を価値にできなければ年齢とともにある時期から仕事をする上での市場 価値は下がります。最近は「効率」が尊ばれますが経験者がきちんと情報を残し、経 験から生まれた知恵を組織的に活用できれば進化や効率化につながると思います。新 しいアイデアを生み出すための情報資産です。

とはいえ一般的に毎日、業務日報を入力する等の作業は習慣化するまで「面倒くさ い」ものです。弊社の「PROナビ」ではその点を考慮して少しでも入力の負荷を軽 減するため、入力項目も経験スキルを貯める必要最低限に抑え入力も検索もしやすい 簡素な仕組みにしています。又、そこに追加可能なユーザの本気度を可視化する機能 や自動でリスクのある日報を通知してくれる機能もあります。企業もイノベーショ ン・進化を求めるのであれば短期的な数値管理とは別に長期的な視点での情報の蓄積 が必須だと感じています。

アスクラボ株式会社 会長 川嶋 謙