企業にとって、今期の売上や来期の予算といった目先の業績はもちろん大切なことですが、企業としての存続に主眼を置いた「継続して売れる」という仕組みを作ることも重要です。その「継続して売れる」仕組みの一つとして、「お客様の評価」というものも上げられるかと私は思います。

「お客様の評価」というのは、売り手側が勝手に作りあげることができる仕組みではありませんが、大変効率のよい営業力であることは確かです。

例えば、お客様の評価が良ければ、そのお客様がまた別のお客様を紹介して下さることがあります。これはつまり、自社の人的営業工数がゼロであるにもかかわらず売上につながる=結果として「お客様の評価」が営業力となっているということに他なりません。

IT業界に限らずどんな業種においても、企業にとって「お客様の評価」というものは重要で、常にその評価にさらされています。では、企業としてお客様の評価を得るためにはどのようなことが必要なのでしょうか。

自動車販売で例えてみます。

自動車販売を営業のみの都合で考えると、お客様から注文をもらい、自動車の注文書を書き、お客様に納品をすると、「自動車を販売する」という営業の仕事は終わりです。
しかし、自動車を購入したお客様側から見ると、それは終わりではありません。
むしろ、自動車が納品されてからが始まりです。自動車を通勤に利用するのか、あるいはビジネスに利用するのか、もしくは趣味でドライブに利用をするのか等々、なんらかの目的を達成するために自動車を購入したわけですから、お客様の都合で考えると、自動車販売の営業の視点の「終わり」がお客様にとっての「始まり」になるわけです。

通勤、ビジネス、ドライブそれぞれの目的を安全に達成するためには、自動車の日常のメンテナンスや、万が一の事故に備えた保険対応がスムーズに行われる必要があります。そのように考えると、自動車を販売してお客様の評価を得るということに携わるプレーヤーは、営業担当者だけではなく、エンジニア、保険担当者、お客様対応の窓口であるフロントスタッフなど、社員の大半がプレーヤーとなるのです。

このような背景から、お客様の評価を得るためのキーポイントとして、「組織連携」が必須であると私は思います。
組織として対応した結果によりお客様の評価が決まるからです。

営業力強化は決して営業部、営業担当者のみの問題ではありません。お客様は自身の目的を達成するために商品・商材・サービスを購入します。目的達成の過程で発生する問題や疑問、それらに対するサポートやメンテナンスなどに関して、購入先に質問や依頼を行い、その対応結果によって評価の良し悪しが決まります。
お客様が企業に対して下す評価の良し悪しは、昨今のメディア・通信技術の発達により、第三者が誰でも簡単に入手できる環境になっています。

しかしながら評価される側の企業内においてはどうでしょうか?
企業内の各部門が、実績や予算といった数字により評価されるため、組織が縦割りとなり、組織連携が本当にスムーズに行われている企業はまだまだ少ない状況ではないでしょうか。
お客様の立場とすれば、問題や課題を解決してくれる人であれば、それが営業であろうと技術であろうと、現場のスタッフであろうと管理者であろうと誰でもよいのです。
組織としてお客様の課題解決や目的達成に対応することが、お客様の満足につながり、その結果として「お客様の評価」という最大の営業力を得ることができるのです。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙