『対応履歴』という発想

商談が商談として完結するまでには様々な活動・対応が生じ、その経過とともに様々なスタッフが関わります。お客様は同じ会社を相手にしてはいても、対応する様々なスタッフすべてに、全く同じ話をしているというわけではありません。
意識・無意識問わず、対応する職種あるいは役職により話す内容は違います。

例えば、営業スタッフに対しては、最終的な価格交渉を考慮してか、価格に関する話題には用心したり、ストレートな表現をさけたりします。また、既存顧客であれば、営業スタッフよりむしろ技術スタッフに対して新たな商談の可能性を話題にしたり、定期保守などで訪問するCEとの日常会話では、商談から離れた会社に対する評価を話題にしたりと実に様々です。

売り手側は「お客様を知ろう」と会議等でよく唱えますが、窓口の営業スタッフのみの情報ではお客様の一部を知っているに過ぎず、本当のお客様を知っているとは言えません。その結果として、営業が対応して得た一部のお客様情報で的外れな営業ストーリーを立て、失注している可能性も否めません。
本当にお客様を知るためには、営業・SE・CE等々、商談に関わるすべてのスタッフにおいて、立体的な情報収集を行う必要があるのです。

立体的な情報収集は、提案書や資料等を他の商談で流用する場合においても重要です。効率的な営業展開のためにも、提案書や資料を他の商談で流用することは大変望ましいのですが、そのまま置き換えるように流用できるかと言えば、それは非常に困難です。
なぜなら、どのような場面でその資料が必要であり、資料の作成にあたりどのようなスタッフが加わったのか、また、どのような意図でその資料を作成し、どのタイミングで提出したのかといった背景がつかめなければ、お客様への対応や質問に対する回答が漠然としたものとなり、結果として説得力のない資料となってしまうからです。

どのようにして商談は生まれるのか?
どのように商談が進行し、どのように商談を展開させるのか?
どのようなスタッフがどのような場面で関わるのか?
どのような資料が必要となり、どのような提案書を作成しているのか?
どのタイミングで打ち合わせを行い、どのような確認・取り決めをしているのか?
どのようなソリューションを提案し、どのような効果をお客様にもたらしたのか?

商談が発生して完結するまでのお客様に対する様々な活動・対応、つまり商談に対する対応の履歴は、新人の営業スタッフや人事異動で営業配属となったスタッフ、あるいは商談途中でプロジェクトメンバーとなったスタッフにとっては、一番知りたい情報であることは間違いありません。
そればかりでなく、上司やマネージャーといった管理スタッフがこのような情報を逐次確認することができれば、商談進行の把握、対応スタッフのスキル確認、トラブルの未然防止等々、あらゆるマネジメントに活かすことが可能です。
しかし、お客様への活動・対応は、それぞれ担当するスタッフ個々が行い、それぞれ個々の属人的な経験・知識として蓄積されてしまいます。

これらの、商談に関する個々の活動記録・履歴が会社の活動記録・履歴として蓄積され、社内に開示することがでれば、それは誰もが活用することができる「共有ナレッジ」となるのではないか?これが「対応履歴」の発想です。

「対応履歴」は商談に関わるすべてのメンバーの活動の記録を時系列に一覧できるという機能です。商談を軸として商談スタート時から最新の対応まで、また各場面で作成・提出した資料のすべて、その資料を作成・提出するに至った背景、提出した資料に対するお客様の反応、商談進行過程で上司へ投げた質問とその回
答やアドバイス等々、商談メンバーにより登録された情報すべてが蓄積され、社内における共有ナレッジとなります。

「対応履歴」は、お客様を立体的に知る仕組み、また、共有ナレッジ実現のための仕組みとして、PROナビの機軸になっています。

※PROナビ:弊社開発の組織営業力強化システム

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙