何故、ゼネラル・モーターズ(GM)は破綻に追い込まれたのでしょうか?

直接的な原因として、原油価格の高騰と金融危機があげられますが、その影響を受け、製造業や電機大手メーカーが赤字に陥ったことや、急激な売り上げの減少が影響を及ぼしたこと、余剰な製造設備の問題も理由としてあげられます。

そして、それらの理由に加えて、スタッフの人件費・福利厚生にかかる費用などの水準が高くなり、コスト競争力が低下したことも、さらに深刻なダメージを与えた大きな要因としてあげられます。

コストが高くなったとしても、他社が真似のできない技術・アイデアなどの付加価値がコストに比例して上昇すれば問題ないのですが、付加価値を上げることができなかったため、消費者から敬遠されたという面もあります。

先進国の企業は、人件費が高額であるためコストも高くなり、コストの低い開発途上国との競争にさらされています。
コストの低い会社でコストの高い会社と同じことができるのであれば、市場は当然コストの低い会社を選ぶのではないでしょうか?

これは、IT業界においても同じことが言えます。

先進国である日本のIT業界は、既に何年も前から、人件費を含めコストが高い状態で推移しています。それゆえ、日本から多くの仕事がコストの低い開発途上国(中国・インドなど)へと流れています。

このような状況は、実は先進国と開発途上国との間にだけ起こる問題ではありません。会社を設立したばかり、あるいは起業したばかりという、いわば「開発途上会社」との間でも同じような競争が起こります。

会社を設立したばかり、起業してすぐという開発途上会社では、仕事があれば、土日の休日などは考えずに業務を行い、人件費を含めた「低コスト」を武器に先行している会社へ挑みます。先行している会社と開発途上会社を比べ、仕事の内容が同じなら、当然ユーザーは低コストの会社へと流れていきます。

先行している会社は、コストが高いのであれば、そのコストに見合った付加価値の高いビジネスへと常に進化・進歩をしている必要があるのです。

市場ニーズは低コストへと流れており、高コストの会社は現状のままでは存続することが困難となります。低コストの会社にはない付加価値、低コストという魅力に負けない付加価値をそなえることが、企業存続のために必要となります。
そのためには、従来の高度成長期の時と同じような「数字管理中心」、「御用聞き営業」、「ユーザー訪問回数管理」などのマネジメント・営業スタイルでは、市場に対応・追従することができません。
マネジメント・営業スタイルを変え、高付加価値商品・高付加価値サービスを提供することができる高付加価値ビジネスモデルを作り上げる必要があるのです。

市場に対応・追従するための高付加価値ビジネスモデルへの転換の鍵は、最前線で市場に接し、市場の声を聞いている現場スタッフが感じたこと、悩んでいること、困っていること、不安に思っていること・・・その中に、高付加価値ビジネスモデルへのヒントが潜んでいるのではないでしょうか。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙