先輩から教わったこと ~営業は話し上手より聞き上手になれ~【アスクラボメールマガジン】

私は、人と接する事が基本的に嫌いではありません。どちらかというと人と話をするのは好きです。しかし、業務上の新規開拓営業で人(お客様)と話をする場合は、単に「話をするのが好き」とばかりも言えない状況になります。これは、お客様との会話で色々な事を考えてしまうからだと思います。

 ・間違えて余計な事を言ってしまったらどうしよう
 ・この話は触れてよかったのだろうか
 ・今日はこの話題はやっぱり止めておこう
 ・お客様より自分がしゃべり過ぎてしまったかな

というような事を中心に、他にも色々な事を考えます。
お客様との面会は、色々な事を考えながら全力で接するため、一日のうちで3件目ともなると、自分の頭がついていっていないと感じる事があります。全力で色々な事を考え、配慮して接しているため、「気疲れ」してしまうのだと思
います。

ここで、私の営業活動での2つの例を紹介したいと思います。

例1:進行がスムーズな商談の場合
  (継続して交流が保て、商談が進展しているお客様)

 『お客様に話をして頂き、いろいろと聞くことができる。』

お互いが話をしやすくする為には、共感できることが重要であり、その共感できるポイントを確認する為には、お客様に話して頂く事が重要です。そして、お客様に話して頂くためには、お客様が話しやすくなるキッカケとしての話題づくりが重要です。進行がスムーズな商談では、私はところどころでキッカケとなる質問をお客様に投げかけ、その後は聞き役へと回ります。そしてお客様の話を聞くことにより共感できるポイントを確認するのです。しかし、その質問を投げかけるためには、事前に色々なところから情報を入手して、わからない箇所は調べ、場合によってはお客様に教えて頂くことも必要です。まずお客様に話して頂くためのキッカケを作り、そしてお客様に話をして頂き、共感ポイントを確認することで、お客様とのコミュニケーションが取れ、商談がスムーズに進展しているのだと思います。
   
例2:停滞している商談の場合
  (面会は出来ても、商談が進展しないお客様)
  
 『お客様があまり話をされず、こちらが一方的に話している。』

例1とは逆で、定期的に面会できても商談が進展しない状況のお客様では、こちらが一方的に話してしまい、お客様があまり話をされていない場合が多いようです。自分が一方的に話してしまうと、課題・ニーズの把握も困難になり、共感ポイントの確認が出来ないことから、商談の進展が難しくなってしまいます。自分の勉強不足のせいもありますが、その場の雰囲気、状況、タイミングを考えていると、キッカケとして投げかける質問を思いつかない時もあります。そのような場合は、面会は出来てもなかなか商談が進展しない状況になっています。
  

例であげた2つのケースは、お客様に面会出来た事が前提になっていますが、それ以前のアポイントの段階で、メールや電話での態度、雰囲気などに気を付けておかなければ、面会する事さえ困難になってしまいます。

初回の面会チャンスを掴んでからも、最初に挙げたように色々な事に配慮しながら、お客様の好感を得て、課題・ニーズを話して頂けるように努めなければなりません。
商談においては、商品のアピール力や会社の信頼性ももちろん大切ですが、それに加えて、営業マン個人がお客様から好感を得ることが非常に重要であると改めて感じています。

まだまだ勉強中ですが、2度目、3度目のアポイントでお客様から面会OKの連絡が来ると、少なくとも嫌がられてはいないなと安心し、また逆に、面会を断られた場合は反省するといった日々を送っています。

新規開拓の営業は、考えることや配慮すること、難しいことがたくさんあり、気疲れしてしまうことも多々あります。
しかし、お客様から褒めて頂いたり、新たなお客様を紹介して頂いたり、商談が進展していくにつれお客様と良好な関係が築けていくといった喜びがあり、この喜びを原動力に活動しています。

私は、先輩から「営業は話上手より聞き上手になれ」と教えられてきました。日々実践しながら実感しています。
これからも前向きに新規開拓の営業活動を続けていきたいと思います。

(アスクラボ株式会社 東京支店 川嶋 慎太郎)