不安の限界と能力向上【アスクラボメールマガジン2022年8月号】

私の「対応力」が向上したとすれば、それは計画立てて学んだものではなく、
さまざまな問題に実際に対応した結果であると思います。
いろいろな問題の中でも、企業の存続に多大な影響を及ぼすような問題が起こった
場合は、否が応でも自ら対応しなければなりません。瞬間的にはどう対応してよい
のかわからず、今の自分の能力では対応しきれないと感じることもたびたび
ありましたが、そんな時は悩みに悩み、思考をめぐらせて、頭の中で解決の
ヒント・手助けとなる情報を探し求めました。

しかし、ビジネスは時間との戦いでもあり、解決のヒントを見つけて問題を解決
する前に、収入・資金が途絶えてしまうと、市場から退場となる心配も頭をよぎ
りました。
そんな心配や不安が限界を超えたとき、私の頭の中では、こだわりや先入観
というものがなくなります。問題や課題解決のための目的意識が強ければ、
好き・嫌いという感情や過去のいきさつといったこだわり、役職の上下、
ベテランか新人か、知識があるかどうか、社会的地位等々の先入観というもの
がなくなり、その結果、あらゆる人への対応の幅が広がりその対応能力が向上
したと感じています。能力の向上や進歩を止めているのは、意外にもその人の
こだわりや先入観ではないかと思っています。

何かで目にしたのですが、ブリヂストン元CEO荒川詔四氏の「優れたリーダー
はみな小心者である。」という著書に、その時の自分の実力では対応できない
ような状況に置かれ、なんとかしようともがくなかで、能力は無理やり広げられ、
成長につながるという内容があり、大変共感しました。

さて、学生時代から作文が苦手な私が本を書くことになったとき(※)、
机についてもストーリーが浮かばず、原稿の締め切りだけが迫ってきて、
「書き上げることができるのだろうか?」と不安でいっぱいになりましたが、
その不安が限界を超えたときに頭が切り替わりました。
頭の中はストーリーのヒント・ネタ探しに集中し、読書をしても、ニュースを
見ても、人と会話をしていても、今まで気に留めていなかったこと・聞き流し
ていたことを「情報」としてキャッチできるようになり、その情報を基にして、
多くの人の力を借りましたが、本を仕上げることができました。
これも、不安の限界が結果として能力向上につながったと思っています。
(※2018年11月メールマガジン「弱み・苦手の克服」)

■PROナビについて
弊社開発のPROナビは、登録される情報を、経営者・管理者が上から目線の
管理中心に利用すると、「事実」としての情報が減少するため(情報として
登録されなくなるため)、企業の存続と進化、スタッフの能力向上の妨げとなる
危険性が大きくなりますが、過去の先入観やこだわりを排除して、企業を進化
させるための情報・経営者や管理者が現場から学ぶための情報として活用
すれば、個人・企業の能力向上につながると感じています。

              アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙