アスクラボにおいても私個人においても、自らが経験・対応してきたことが現在のスキルや武器となっています。そして、その経験や対応のほとんどが、大変な思いをしたり、ひどい目にあったり、お叱りを受けたりという出来事で、その当時は「これもよい経験」とは歓迎できませんでしたが、今思い返せば「その経験があったからこそ」と思えることばかりです。

1.顧客ゼロでの会社設立(後発企業ゆえの気づき)

文字通り顧客ゼロ、他社に先行された後発という立場での会社設立でした。顧客を獲得しなければ収益はゼロ、後発のため他社の顧客をリプレースしなければ弊社の存続はありえないという厳しい状況でのスタートでした。
そんな状況下、まず顧客獲得のために他社の提案書の調査に取り組みました。他社と同じ視点での営業活動では、後発の弊社の存在価値はないと思ったからです。
当時の他社の提案書は、ハードとソフトの「機能の羅列」が主となっていたため、 弊社では「経営の課題を経営者に提案する」という視点で、他社とは違う提案・ 営業活動を行うことに決めました。企業存続をかけた厳しいプレッシャーの中で大変な思いもしましたが、活路を見出すことができたのは後発企業ゆえの気づきであったと思います。

2.結婚直後の入院(本質を求める)

会社の運営が何とか見込めたころに結婚をしました。今思えばバカな話ですが、 当時の私は周りに亭主関白と思われたくて、そのような言動・振る舞いをしていました。しかし、結婚して間もなく生死にかかわるような病気で手術となり、入院生活を送ることになりました。入院生活中に実感したことは、何よりも健康で楽しい生活を送ることができればよいということで、周りがどう見ようと関係がないという本質に気がつき亭主関白などどうでもよくなったのです。そして退院の時、おこがましいことですが「この世の中にまだ自分が必要とされている」と思い、自己満足したことを覚えています。病気、手術、入院を経験して得た気づきは、後に
「ブームを追わない・本質を求める」というビジネススタイルへの大きなヒントとなりました。

3.不具合発覚(その場逃れの約束はしない)

会社運営面でまだ資金的に厳しい時期に、お客様の厚意で前払い的に費用を頂いてシステムの構築を行いました。
そのシステムの導入時、先方の社長が立会いをされている場で弊社システムの大きな不具合が発覚しました。それは作り直しも想定されるほどの紛れもない弊社のミスでした。先方の社長には、お金を支払っているのだから人を導入してでも即対応するよう厳しく怒られました。
迅速な対応をすることはもちろんですが、怒られることが怖くてその場逃れの納期回答をすることの方が不誠実であると私は思いました。今回大きな迷惑をかけている上に、安易な納期回答で2度も迷惑をかけるようなことはしたくないと交渉し、十分な納期を頂いて完成品を納めることができました。

ビジネスにおいてもプライベートにおいても、いろいろな問題やさまざまな課題が常に発生し、その対応を避けて通ることは不可能です。問題や課題に対応しているときは大変だったり、苦しかったり、自身にとっては決して楽しくない時間を過ごすこととなるのですが、その経験は、個々のスキル・武器となり、結果、会社全体としてのスキル・武器になっています。
今後も経験をデータとして残すことで将来へのスキル・武器とし、新たなビジネスモデルを構築していきたいと思っています。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙