会社のスタッフすべてが、理想通りのコミュニケーション能力と高いスキルを持っていれば、理想通りの活動と成果が得られ、会社としては何の問題も異存もありません。しかしながら、現実的にはそのような理想通りの人材はごく稀に存在するのみで、大多数は普通の人材です。それを踏まえて企業として理想通りの成果を上げるためには、組織として普通の人材をいかにマネジメントし、どのように行動して結果を出すかが重要になります。

さて、さまざまなインフラが発達し整備された現在では、どのような地域でも同様の情報、商品、サービスが手に入るようになりました。その結果、自動車や家電、ITなど多くの商品・商材、サービスにおいて、他社より秀でた、あるいは他社にはまねができないといった圧倒的なアドバンテージを持つことも少なくなりました。つまり、大きな差がない・同じような商品・商材、サービスで、ライバル企業がビジネスの戦いをしている状態です。

しかし、商品・商材、サービスに差がなくても、お客様(買い手側)は手に入れたいものを購入し、希望するサービスを受けています。必ず望むものを選んでいるのです。この選択する理由の部分にこそ、弊社が提唱する組織全体としての営業力が関係します。

コミュニケーション能力が高く、説明力に優れ、プレゼン・提案力もあり、運用ノウハウも備え、お客様に好感を持たれる人材がたくさんいれば、営業力は非常に強く、期待する成果(あるいは期待以上の成果)を出すことは容易と思われます。しかし、冒頭に挙げた通り、そのような人材ばかりをそろえた企業などまず存在しません。普通の人材で期待する結果を出すためには、相応のマネジメントが必要なのです。

商品・商材、サービスに差がなければ、お客様は何を理由として選択しているのでしょうか?例えば、同じようなもの・差がないものを複数の企業から同時に提案された場合、お客様は断りやすい順番に選択肢から外しているのではないでしょうか。それならば、営業担当者のみでなく組織的に断られにくくする状況を構築すればよいのです。では、どんな要因が断りやすくしているのでしょうか?それは、自分自身に置き換えて考えれば簡単です。商品や商材、価格に大きな差がない場合、あなたならどちらを断るでしょうか。

担当者の印象が良い or 担当者の印象が薄い
信用できる会社 or 信用できる会社かどうか不明
営業担当者が訪問時間や約束を守る or 営業担当者が時間や取り決めにルーズ
知り合いの紹介 or 誰の紹介でもない
電話をしたら対応が良かった or 電話対応が無愛想だった
当方の上司と相手の上司が知り合い or 社内に知り合いや関係者はいない  
セミナーに参加して事前に知っている会社 or 予備知識もなくはじめて知った会社

おそらく、すべての項目において、後者の方が断りやすい要因かと思われます。ならば後者ではなく、前者の要因に着目して、お客様が断りにくい環境を組織として徐々に構築すればよいのです。そのためには、営業担当者のみでなく、上司あるいは技術担当者、さらにその上司が、お客様の決裁ルートである各役職にクロスして多面的に接触し交流を行う「内部接触」を増やすことも重要です。また「外部接触」として、知人の紹介や客様からお客様の紹介等により、信用できる会社であることを認識してもらうこと、セミナーへの参加や技術交流への案内等により、会社について認識を深めてもらうことも重要です。

普通の営業スタッフが成果を上げる環境構築のためには、組織的な営業活動が不可欠なのです。

                       アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙