仕事柄、多くの企業のお話をうかがう機会や、数々の会社をお訪ねしますが、その中で、よく見聞きすることがあります。

それは、「定時を過ぎて夜遅くまで仕事をしている」「管理者の会議が多くていつも会議中」ということです。

「営業も技術スタッフも、夜遅くまで仕事をしている姿を見かけるのだが・・・」という言葉の背後には、「本当に必要な仕事があって、正当なマネジメントの結果として遅くまで仕事をしているのだろうか?」という疑問があり、「会議が多くていつも会議中だが・・・」は、同様に「本当に必要な会議を、必要なタイミングで、適正な時間内でやっているのだろうか?」という疑問が潜んでいるのではないでしょうか。

見聞きしたことすべてがそうではないと思いますが、問題を先延ばしにしたその場逃れのマネジメントや、話の辻褄を合わせるための対応が行われた結果、それらをごまかすための無駄なリソースや時間を費やしてしまうケースが多々見受けられます。

本来、マネジメントや対応は現実を反映し事実に基づいてなされるものです。

しかしながら組織の中にあって、自分が生き残っていくためのマネジメントや対応が優先され、事実や現実が反映されないものとなっているのではないでしょうか?

そのような背景を経て経営者層に伝わる商談のステータスやお客様の情報が、事実や現実と乖離した内容となるのも止むを得ないことだと思います。

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これは私がまだ学生の頃のことですが、今でも鮮明に覚えていることがあります。

私の父は、自動車販売会社で営業統括の専務として経営に携わっておりました。

新車を販売する場合はたいていお客様の車の下取りが発生し、下取りした車は中古車(商品)として展示場に並べてありました。当時、車が大好きだった私には、展示場に並んだ様々な車を眺めるのも楽しいものでした。

そんな中、なにげなく思いついたことを父に質問したことがあります。

中古車の価格は、走行距離ではなく年式で市場の価格が決められていました。
つまり、同じ車種・グレードであれば5年前の車より、8年前の車の方が安いということです。そうすると展示場に並べた中古車が売れないまま1か月が過ぎれば、当然、価格は1か月分下がるはずです。

しかし、たびたび展示場を眺めていた私ですが、車に掲げられた価格パネルが月を経る毎に値下がりしたのを見たことはありませんでした。
市場価格に同期をとる場合、そのような中古車を数多く抱えていると、毎月かなりの価値の下落(現在で言うところの減損)が発生するはずです。

私は父に対し「市場価格と同期をとらず、価値が下がっていないのはおかしいのではないか?」となげかけました。

父の回答は「その通り!」とシンプルでした。

しかし、その続きは、組織が抱える複雑さを表していました。
「指摘の通りだが、歴代の営業部長は利益が下がることを理由に誰も任期中にはやりたがらない。長年の悪慣例で困っている。」と、自身もその対応に悩んでいる胸のうちを明かしてくれました。事実に基づけば利益は下がる。しかし、自分が営業部長に在任中は利益を少しでも出したい。

事実・現実から乖離した、また、問題の先延ばしは一種の「ごまかし」に過ぎないという顕著な例です。

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組織の中で生き残るためには、きれいごとばかりでは済まないのかもしれません。
少なからず保身のためのマネジメント=「ごまかし」も止むを得ないのかもしれません。

しかしながら、厳しい経済環境の中で無駄を排除して効率をあげるためには、現実を知り、事実を認めた企業が生き残れると実感しています。
言い換えれば、「ごまかし」をいかに少なくするかということなのです。

(追記)
「PROナビ」活用で「ごまかし」の減少へ

弊社の組織営業力強化システム「PROナビ」は、スタッフの日々の情報登録によりその効果が発揮されるシステムです。

例えば、ある商談に対してアクションを行った場合、その内容を日報に登録することで複数人の商談メンバー全員にその内容がリアルタイムで通知され、履歴が残ることとなります。
つまり、「個の対応」が「会社の対応」として、商談メンバー(必要があれば全社)に認識されるシステムです。
さらには、複数人で対応を行った場合、各自がそれぞれ日報を登録するため、複数人の観点で同一事項が登録されることとなり、より立体的に事実を反映することを実現しています。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙