先日のことですが、ある新聞記事に目がとまりました。それは、企業の情報システム部門におけるエンジニアの平均年齢が50歳を超え、その対策に企業が苦慮しているという内容の記事でした。おそらく、大手ベンダーを含めた多くのベンダーが同じ問題を抱えていると思われます。弊社も同様です。弊社は、岡山県北部のいわゆる「地方」に本社があるため、スタッフのほとんどが地元もしくは近隣地域の出身者です。
大学は都会に行ったものの就職は地元といった「地元志向」のスタッフや、家や親のことを考えてUターンしてきたスタッフが多く、「長男率」が高いのも地方ゆえの特徴であると思います。また、都市部の企業のように頻繁な人材の入れ替わりが少ないため、毎年確実に高齢化が近づいていると言えます。

スタッフの高齢化がもたらす問題の中でも、企業が一番に頭を抱えるのは費用対効果ではないでしょうか。スタッフが高齢となっても、費用に見合う効果があれば、高齢化を問題とする大きな要因の一つはクリアされます。

弊社の場合、高齢となったスタッフ(システムエンジニアに限らず営業スタッフも含めて)の費用対効果が見合うためには、お客様に対して業務改善の提案ができるかどうかに依るところが大きくなります。この場合の「業務改善」は、システムによる部分はもちろん、システム以前の業務改善も含まれます。そのためには、財務(BS、PL)の理解は当然として、納入したシス
テムをお客様がどのように運用しているのかを理解し、売り手側の視点ではなく、コストを実際に負担するお客様の視点で、お客様が求める本当のソリューションをつかむことが必要です。
費用対効果が合うということは、会社にとってもちろん重要ですが、それぞれのスタッフにとっても自分自身の市場価値を認識することができるため、モチベーションの向上におおいに効果があると思われます。

私は、会社を設立した当初から「派遣や大手企業の下請け的な仕事はしない」という方針で経営をしてきました。派遣、下請けの仕事をしないという選択は、自主営業でお客様を開拓しなければならないため、収入面で数字的な厳しさが常にありましたが、スタッフそれぞれのスキルを年齢とともに向上させるためには正しい選択であったと思っています。なぜなら、自主営業でお客様と直接対峙し、システム構築による業務改善・システム以外の業務改善を行うことによって、営業力、提案力、交渉力、プレゼン力、業務知識、業務改善スキル等を年齢とともに向上させることが可能だからです。
さて、企業においては、窓口担当者から中間管理者層、経営者層まで、それぞれの役職・階層で求める価値に違いがあります。役職が上位になるほど、部分最適から全体最適の思考となり、「何ができるか、どれだけ処理できるか」という機能を求めることから、「どんな課題が解決できるか、業務にどのように活かせるか」といった効果が求められるようになります。弊社では、お客様のそれぞれの役職・階層に対応するたに、スタッフが経験とともに備えるスキルについて次のように考えています。

・入社2~3年・・・既存ユーザの窓口担当者の要望・リクエストに応える。

・同 4~5年・・・既存ユーザの管理者層の要望・リクエストに応える。

・同 6~7年・・・既存ユーザの経営者層の要望・リクエストに応える。

・同 10年を目途・・・企業の抱える経営課題を聞き出し、その解決について経営者と話ができる。

この段階を経ながら、営業は営業活動を通じて、システムエンジニアはシステム設計・構築を通じてスキルを向上するために、弊社ではPROナビ(※)を活用しています。PROナビを使用することにより、日常の業務自体がOJTとなり、好き・嫌いといった人間の感情に左右されないナレッジの伝承が可能となります。また、情報の「見える化」により、納入・導入後のお客様の動向を共有し、先輩や後輩、同僚の活動も共有されるため、相互に作用してスタッフが成長できる仕組みになっています。
PROナビは、会社としての収入を上げながらスタッフそれぞれのキャリアに沿ったスキルアップを支援する「仕組み」なのです。
※PROナビは弊社が開発した組織営業力強化システムです。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙