ヤンバルクイナ【アスクラボメールマガジン】

沖縄に生息している「ヤンバルクイナ」という鳥は、体重に比べて翼の面積が小さく、また翼を動かす筋肉も発達していないためほとんど飛ぶことができません。飛ぶことのできない他の種類の鳥と同様に、ヤンバルクイナもかつては空を飛んでいました。しかし、飛ぶことができなくなったのです。ヤンバルクイナが飛ぶことができなくなった原因は、生息地に強力な捕食者がいなかったためと言われています。つまり追われたり襲われたりすることがなかったため、飛ぶ必要性がなくなった結果として翼が
退化し飛ぶことができなくなったのです。このような退化現象と類似したことがビジネス社会においても見受けられます。そしてその現象は会社の大きなリスクとなっています。

新規開拓の営業活動においては、大まかに次のステップあるいはプロセスをクリアしなければ、商談の成立は困難です。
1.ターゲットとしてのアプローチ先を決める要因が必要 
2.アプローチ先へ面会・訪問するための手段の検討が必要
3.アプローチ先に対して、自社と取引をするメリットを理解して頂くことが必要
4.アプローチ先に、「取引するに値する企業(あるいは個人)」と認めてもらうことが必要

しかし、取引を継続しているお客様に対してはどうでしょうか?
既存顧客に対する営業活動では、担当者に面会することも、自社へ注文をいただくこともそれほど困難ではありません。なぜなら、
1.アプローチ先を決める要因も不要
2.面会・訪問するための手段を考えることも不要
3.自社と取引するメリットを理解してもらうことも不要
4.「取引するに値する」と認めてもらうことも不要
だからです。

長く取引をしているお客様であれば、悪気なく「注文をもらって当り前」という感覚で営業活等を行っているかと思います。その結果、既存顧客や関係会社への営業活動では、新規開拓営業で必要とされるステップやプロセスが大きく省かれることとなります。

既存顧客のみの売上、利益、受注は、時間の経過とともに減少していきます。そのため、新たな収入源を確保しなければ企業を存続することはできません。しかし、長年、既存顧客や関係会社中心の営業活動を行っていると、新規開拓営業に必要な能力が退化し、企業として新たな収入源を確保することが難しくなってきます。つまり、既存顧客のみに依存し新規開拓営業に取り組まないことは、ヤンバルクイ
ナと同様に飛べない鳥になることであると危惧しています。

今現在、収益源となっている既存のお客様も最初は新規のお客様でした。新規開拓営業活動のたまものとして現在の取引があるのです。ヤンバルクイナがかつて飛ぶことを放棄した地のように、強力な捕食者がいない環境なら別ですが、変動の激しいビジネス社会において企業を存続していくためには、その能力を退化させてはいけないのです。

■課題解決のためのPROナビ

新規開拓の能力を退化させないためには、企業としてその能力を向上させることが必要です。そして、新規開拓に常に携わることが、その能力を退化させないためには重要です。しかし、もっと重要なことが、新規開拓営業に対する管理者の評価にあります。なぜなら、新規開拓営業は既存顧客のように実績数字に直結する成果・結果が出にくいからです。実績数字を中心に評価・管理される営業担当者にとっては、結果が出やすい既存顧客への営業活動に注力するのは必然のことです。結果、新規開拓営業に向かわない・携わらないため、その能力を使用する機会を逸し、能力も向上せずむしろ退化してくのです。弊社開発の組織営業力強化システム「PROナビ」は、新規開拓の営業支援はもちろん、新規開拓活動の見える化を実現しているため、実績数字に反映されない活動や担当者個々の能力の向上も評価することが可能です。
PROナビの有効活用により、企業としての営業活動の退化を防ぐことができます。

                      アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙