進化する風土作り【アスクラボメールマガジン2024年10月号】

進化する風土作り

随分昔のことですが、ある企業の経営者に「システムの導入によって工数が大幅に低 減できるので、そこに携わる人員の削減が可能です。業務が効率化できます。」と いった内容の提案をしたことがあります。

それに対して経営者は「人員削減イコール効率化ではありません。企業は簡単に従業 員を解雇することはできない。削減可能な業務を行っている人員をどう有効活用する か、ということも提案できて初めて効率化の提案です。」そのように指摘され印象に 残っており、その後の私のマネジメントについて良いアドバイスとなっています。

以前は弊社アスクラボでも数値管理が中心のマネジメントとなっていました。売上数 字を基軸とした人事評価が行われた結果、以下のような問題が起こり社内の雰囲気は よくありませんでした。

・部署間連携ができない。

・後方支援など、売上に直結しない作業はしない。他人に協力しない。

・業務改善など、時間がかかることには取り組まない。

そして売上数字を稼ぐ人が「仕事のできる人」として社内で重要視され、数字の稼げ ない人は「仕事の出来ない人」とみなされ自然と情報も遮断されがちになっていきま した。そうなると意欲も低下し、組織として非効率です。

売上数字に直結しない、リスク回避のための作業・お客様へのクレーム対応・業務改 善・後方支援・新技術やサービスの開発・新規顧客の開拓・社内ルールを守ることも 企業の運営に不可欠な要素です。長期的に利益を上げ、企業が存続していくための重 要事項です。
売上数字を稼いでいなくても、そのような業務に携わっている人は会社に貢献してい ます。数字のみで評価を行うと会社への貢献を正しく評価できないだけでなく、ス タッフのモチベーションも下げてしまいます。

上記のような問題を解決するために弊社では※PROナビという自社開発の情報共有の 仕組みを全社で利用しました。20年以上、営業・技術・管理部門、経営陣を含む社内 の全員が業務日報・商談進捗情報を毎日登録しており、重要な情報資産となっていま す。これらの情報は会社への貢献度の評価・適材適所の見極め・商材開発・市場環境 の変化を知り将来に対するための準備に活用しています。毎日全員が登録し情報を目 にすることで、各部署の現在取り組んでいる仕事や課題について当たり前に共有でき ているので、必要に応じて改善や協力がしやすい風土になっていると感じます。

一般的にシステムのおよそ6割は使わない機能だと言われていますが、PROナビは無駄 を省いたシンプルな仕組みなので導入コストやランニングコストも比較的低く抑え、 日々の入力にも手間がかかりません。

また、追加可能な機能として※AIリスク診断で「リスクあり」と判断された日報を自 動通知させることができます。現在市場では7月時点での全業種の値上げ転換率は44, 9%といった状況です。原材料の値上げに対応できず少し前までは高い利益を出して いた会社が倒産に追い込まれるようなケースもあります。弊社ではAIリスク診断によ るリスク通知によって「値上げ」に関する情報を見落とすことなく、対応できていま す。

売上数字は担当者だけでなく、後方支援を含めた組織全体の成果です。現在、大谷翔 平さんが活躍しているベースボールの世界でも選手のチームへの貢献度は、打率・ ホームラン・打点のほかに犠打・進塁打・バント・守備と多角的にみて評価されてい ます。組織の活動状況を多角的、かつ日常で簡単に見ることのできる仕組みがマネジ メントには不可欠です。良い会社風土を作る前提だと思います。

アスクラボ株式会社 会長 川嶋 謙