心に残る一言(身近な交流相手から)【アスクラボメールマガジン2023年9月号】

心に残る一言(身近な交流相手から)

偉人や賢人、歴史上の人物だけでなく日々交流させて頂いている人たちからも「心に 残る一言」を伺うことがあります。その多くは私に「教え」を説こうというものでは なく、ご自身が日常の中で肝に銘じておられることです。
そのような言葉は私にとってもビジネスでマネジメントを行う上で示唆を与えてくれ るものとなっています。今月のメールマガジンではその中のいくつかをご紹介させて 頂きたいと思います。

■外科医の方
自分の診断の精度は全体的には40%位だと思うが見誤ると生死に関わるという病につ いては見逃さない。多くの病は自然治癒する。集中力の継続には限界があるので、生 死に関わる病であるかどうかを見極めるという点を最優先にして、自分の能力の使い 方に優先順位をつけている。

■(恩師)ご住職の方
人間死ぬまで学ぶのは「さじ加減」。叱るのか、褒めるのか。ビジネスであればどこ まで管理することが必要なのか。会社の風土作り・人材育成においても家庭での夫婦 関係・親子関係においても「さじ加減」が難しい。

■民間旅客航空機の機長
飛行中にトラブルの可能性を感じた時、通知の仕方によっては「不安の拡散」という リスクが増大するので、どの時点まで自分の範囲に止め、どのタイミングでクルーに 伝えるか、最終的にいつ乗客に説明するのか、ということを慎重に判断する必要があ る。
上記を聴いて、会社の経営・マネジメントにおいても経営者から幹部へ、幹部から部 門管理者へ、部門管理者から一般スタッフに対して会議という名目で「不安の拡散」 を行ってはいないか、と思いました。

■経営者(父)
経営者でもあった父が晩年に言っていたことですが「慎重は安全、臆病は危険」まっ たくその通りだと思いました。ビジネスにおいて、新しい事へ挑戦することは不可欠 です。又、企画・投資の段階で慎重に検討することは必須条件である一方で、決断の 時期を逃したり、決断をしないことは将来的なリスクを増大させると思います。

■妻 あなたはスランプになると口での言い訳が多くなり、行動が止まる気がします。 身 内はよく見ているものです(笑)。アスクラボ設立から間もない頃、経営的に壁にぶ つかって悩んでいた時期にこのように言われました。
心理学で「不安は人間をおしゃべりにする」という記載を思い出し、「やったことの 範囲でしか結果は出ない」と、不安に感じている内容を分析して明確にし、具体的な 対策を考えるように決心しました。

決まった処理やルーティーンワークは今後、AI等デジタル的なシステムに処理が任 される部分が増えてくると思います。そのシステムに振り回されることなく、人間が 中心になってシステムを使っていくためには上記のような人間が経験や観察で体得し てきた「知恵」のようなものが改めて重要になってくると思います。よい船頭が舵を とってこその「デジタル化」だと思います。

              アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙