市場ニーズと乖離しない経営【アスクラボメールマガジン2024年5月号】
多くの企業が創業した当初は市場のニーズに合わせた経営を行っていますが、時間の 経過につれて組織が大きくなるのに伴い自社の都合に合わせた活動をするようになり がちです。例えば、それまで世の中からニーズは潜在的なあっても商品やサービスと して提供されていない、或いは価格が高すぎて中々手が出せないサービスを顧客に使 いやすく提供し、設立して間もないころは高い業績を出します。しかしその後、市場 のニーズが満たされ自社の組織も大きくなり、扱う商品やサービスが増えていくと自 組織そのものを継続するに足りる資金を稼いでいかなくてはならなくなります。
マネジメントの面でも上層部で必要とされる「予算」を下達して、達成させる形式に なっていきます。振り返ると弊社においても創業当初は、現場の営業や技術者が顧客 のニーズに合わせたサービスを提供することを支援するといった市場ニーズに合わせ たマネジメントを行っていた為、業績も順調に推移していましたが自社都合の数字中 心のマネジメントになるにつれて業績が落ち込み、赤字になった時期がありました。 業績回復の要因はPROナビ(自社開発の情報共有システム)から得られた営業・技 術・管理部門の現場情報です。
【営業の現場からの情報】
・SIビジネスの売上の多くを依存していたユーザのマインドの変化
スクラッチ開発するよりもクラウドや既存サービスを利用したい
→開発案件減少
・地域の会社にこだわらない
近隣だけでなく全国のベンダが競合となる
【技術の現場からの情報】
・これまで既存ユーザ対応の為、スクラッチ開発中心の体制をとってきたが市場の ニーズと乖離してきているという不安感
【管理部門からの情報】
・社内での情報共有不足や協力・連携体制のなさ
・商品を扱う部門での不良在庫の増加
上記のようにそれぞれの部門から放置すれば会社の危機につながるアラームがPROナ ビの日報として報告されていました。まず、商談が成立する為には売り手の「提供で きる価値」と顧客が「求める価値」の一致が必要だと考えています。売り手側が一方 的営業トークをするのでは顧客の「求める価値」を把握することはできません。また マネジメントにおいて組織の業績向上のためには現場情報の把握が必要です。その時 の弊社の会議の実態は上層部が会社の方針を一方的に伝え、予算達成の進捗確認そし て叱咤激励が大半を占めており、現場の情報を聞くことは殆どありませんでした。
現在では日々のPROナビへの入力を通じ、各現場の状況は事前に共有されているので 会議は月1回、30分以内で行っています。主に会社から各部門長への依頼事項の伝 達、普段はそれぞれに活動しているので各部門長から簡易的な口頭での行動計画報告 のみです。予算進捗などの数値は行動の結果なので、行動計画を重視しています。
今月の記事の最後に、最近雑誌でみかけて共感した一言をご紹介します。
「本当に知っているのは現場の従業員だけであり、それを聞き出さなければ会社は大 変なことになる」ウォルマート創業者(月刊誌Wedgeより)
アスクラボ株式会社 会長 川嶋 謙
