企業・個人の老化を防ぐ【アスクラボメールマガジン2023年5月号】

企業・個人の老化を防ぐ

2021年倒産企業の平均寿命は23.8年(東京商工リサーチ)で、1955年Fortune500の企 業で現在も残っている企業は60社となっています。
一方、個人については日常生活に制限のない健康寿命は男性72.68年、女性は75.38年 (厚生省)となっています。
ある精神科医によると老化の一番の原因は人との交流や外出を避ける等で、同じ行 動・考え・環境の繰り返しを行い新たな経験や刺激に対する意欲をなくすことだとい います。
それを改善するには使ってない脳を使うようにすることだそうです。
行ってみたことのない場所に行ってみる、
今まで会ったことのない人物と話す機会をつくる等、
少しの行動パターンの変化でも脳は刺激されます。
又、企業においても創業期・成長期・成熟期・衰退期という過程があります。
人間同様、同じビジネスモデル・マネジメント・商材・スキルの繰り返しでは企業と しての老化が早まります。

お会いする多くの企業経営者からよく「指示したことは実行するが、今後のために創 造的・自発的・意欲的に行動できる人材の育成が必要」ということを伺います。
これは企業にとって常に課題である様に思います。
一般的に業界のスタンダートなビジネスモデルは大体20年で寿命を迎えると言われて います。
技術の進化が加速している現在ではその期間はもっと短いのかもしれません。
その変化に対応し、企業を老化させない為に新規顧客の開拓、市場のニーズに対応し た新たな技術やビジネスモデルの開発、そしてそれに伴ってマネジメントも変わって いかざるを得ません。

新たな分野や技術にチャレンジしていく際には期待した成果が得られなかったり、す ぐにヒットするような商材を生み出せないことが多いものです。
そこで中断した場合はその試みは「失敗」で幕を閉じることになりますが、試みの過 程と結果を社内で記録・共有し、目的のビジネスモデルを確立することができれば企 業の「進化」と言えます。
冒頭で記載した存続している60社の企業はその過程を乗り越えてきたものと思われま す。
組織の意欲を低下させないマネジメントも必要となります。私個人は先人達から下記 の点において大きな影響を受けました。

「ほめてやらねば人は動かじ」【山本五十六】
→欠点ではなく長所探しのマネジメント

「撃墜した数ではなく、部下を戦死させていないことが自慢」【坂井三郎】
→業績が悪い時に精神的に現場を傷つけない

「身と口と心」【恩師のご住職】
→行動・言うこと・思うこと が一致していない人間は信用されない

上記の3つをマネジメントにおいていつも心にとめています。
では具体的にどのようにマネジメントを行っているかですが組織の意欲を維持し、老 化を防止するために日常的には次の5つを実施しています。

1.社長を含む全社員PROナビ※を毎日入力 (スタッフの自己PRと発言の機会でも ある)

2.スタッフが忙しい時間を使って入力した上記の日報情報を管理者及び経営陣は必 ず目を通す(現場・市場から学ぶ)

3.新たな行動・自発的な行動等、数字以外も評価の対象とする (組織老化防止の ため、個人の挑戦やアイデアを組織として評価する)

4.管理されるのでなく自己管理を促す (組織としてはリスク管理となる)

5.会議時間を短縮して負担軽減 (日常的な日報入力で状況把握した状態で会議に 臨む)

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙