私は長年の営業活動とマネジメントの経験をもとに、弊社サービスメニューの一つである「トップアプローチ研修」の講師も務めています。アプローチ先の信頼を得るためには、まずアプローチ相手とのコミュニケーションが必要です。コミュニケーションが取れなければ相手との交流も保てず、相手から悩みや課題を聞くこともできません。マネジメントにおいても同様で、相手とコミュケーションがとれなければ何も行動ができません。伝えたいことが同じでも、相手の年齢・役職・職業・経験などによって表現方法を変える必要があります。コミュケーションが取れなければ、営業活動もマネジメントも効果は生まれないのです。

以前にメールマガジンでも取り上げましたが、懇意にさせて頂いた取引先の専務より「大きなビジネスをしよう・多くの経営者と交流しようと思ったら、まず自分の器を大きくする必要がある」というアドバイスを受けたことがあります。          「器の大きな人」とは「幅の広い人」に通じると感じ、私なりにいろいろと暗中模索をしました。「幅の広い人」の私流の解釈は、子どもからお年寄り、新入社員からベテラン社員、企業経営者から学者や先生といった様々な世代、立場、職業の人とコミュニケーションが取れるような人という事です。  過去の自分を振り返ると、いろいろな人と接した結果、コミュニケーションスキルが訓練されたと思っていますので、私自身が勉強になった印象に残っている過去のやりとりをご紹介させていただきます。

妻と二人で運動不足解消のためにテニスを始めた頃のことです。近所の運動公園の一角にあるコートでテニスをしていた時、野球のユニフォームを着た小学生の子どもたちが通りかかり、コートを囲んで「下手だなあ」と冷やかしのヤジを飛ばし始めました。しばらくはやり過ごしていましたが、あまりにもうるさいので、子どもたちのところへ注意をしに行こうとすると、妻が「子どもを怒らないようにして」と言いました。威圧や威嚇で子どもたちをいさめるのであればコミュニケーションが取れているとは言えません。子どもたちとコミュニケーションをとるために私自身が子どもの頃の気持ちになって、子どもたちの話しを聞いたところ、ソフトボールの大会に参加していたこと、試合に負けたことなどを話してくれました。その後、子どもたちと一緒に数十球キャッチボールをして遊んでテニスコートに戻りましたが、ヤジが一転して「がんばって!」という激励の声援に変わり、気持ちよく下手なテニスを続けることができました。
田舎の小さな喫茶店へ行った時のことです。店主である娘さんが買い物に行ったため、おばあちゃんが一人で留守番をしていました。注文を取りに来てくれたので連れがレモンスカッシュを注文すると「そんなものは私は作れない」と言われ、私がサンドイッチを注文すると「それも作れない」と言われました。私はおばあちゃんに「何が作れるのですか?」と逆に聞いてみました。すると「焼きそばなら作れる」と言われたので、焼きそばを注文しました。おばあちゃんは「本当にそれでいいの?」と心配していましたが、私が「腹を焼きそばに合わせるからいいですよ」と答えると、笑顔で焼きそばを作ってくれました。それからコミュニケーションが始まり、いろいろな話も聞かせてくれて気持ちよい時間を過ごすことができました。

様々な世代や様々な立場の人に対して、同じ表現(言葉、視覚、聴覚)でコミュニケーションをとることはまず不可能です。伝えたい意味は同じでも、相手によって表現や方法を変える必要があると思っています。ビジネスにおいても同様で、立場や環境、性格が違う相手に対して一律同様の表現をしても、よい結果や希望する情報を得ることは困難です。
私も年齢を重ねてきましたが、ビジネス・プライベートにかかわらず、いろいろな人とコミュニケーションが取れる限り、また年齢や立場に関係なく私に「学ぼう」という気持ちがある限り、ビジネスの最前線で成果を上げることができると思っています。

※PROナビ(自社開発システム)に日々登録される商談情報、顧客情報、社内情報は、現場スタッフから学びコミュニケーションをとるための貴重な教材となっています。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙