弊社内で「PROナビ」(自社開発システム)を利用した情報共有をスタートして十数年が経過し、蓄積されたデータも今年の7月時点で50万件を超えてきました。 スタート当初、スタッフからは「管理が厳しくなる!」、「欠点を見つけるため?」 等々マイナス意見も多くありましたが、私の目的は全く違うものでした。

■スタッフのビジネス上の長所を探す(適材適所)

スタッフの商談日報や業務日報を時系列的に継続して見ることで、日頃face to face でつかんでいた感覚、あるいは人事考課のための断片的な評価情報とかなり相違があ ることに気づきました。そして、よりスタッフの長所をとらえることができました。
例えば、積極性に欠けると評価していたスタッフが、クレームや問題が発生すると常 に力を貸している存在であることを日報情報から知ることが出来ました。
また他の例では、面識のない人との交流や人脈形成において、明確なきっかけや決ま った要件がなければ苦手であると評価していたスタッフが、いったん具体的な仕事が 決まるとお客様から一定の評価を受け、信頼関係が構築できていることもわかりまし
た。

■お客様の情報(依頼・質問)から市場の変化を知る

商談日報にはお客様からの依頼や質問も情報として登録されます。それらの情報は市場の声であり、その変化は市場の変化とも言えます。お客様の情報から商材開発のヒントを見つけ、市場の変化に気づくことで実績数字より早く業績の見通しを立てることにもつながります。
以前の弊社の主力ビジネスはSIによるシステムスクラッチ開発でした。しかし、 情報共有をはじめて現場の情報を日報で見ていると、スクラッチで一からシステム開発を望むのは製造業の一部企業で、その他の企業はパッケージソフトの利用など、 低コスト・短納期でのシステム化を望んでいることが確認できました。これらの情報によりその裏付がとれたからこそ、一時の仕事量の増減に惑わされることなく、覚悟を決めて、PROナビや研修コンテンツ(トップアプローチ研修)の開発に取り組むことができました。
また、PROナビを利用されるお客様より頂いた「情報量が多いので、優先的に見るべき日報がわかればよいのに・・・」という意見が、AIによりPROナビの日報記載内容からリスクが含まれた日報を抽出する機能のコラボ開発につながりました。

■マネジメント策定に現場情報を活用する

私とスタッフとでは、当然ながら意見の違いも多々ありますが、時系列的に見ていくと私の意見が間違っていた例もあります。また、お客様の現場の情報は、管理者や経営者の立場では収集が難しいこともあります。現場に近いスタッフが、現場の情報を日報にあげることにより、事実に基づいたマネジメントが実現します。
以前は、システム構築の案件で、提案・見積内容を管理職が精査・許可していてもシステム的なトラブルが発生していました。しかし、営業やSEを含めた商談に関わるスタッフが情報を共有する案件やシステム構築においては、大きなトラブルは皆無となりました。
トラブルの芽は発生しているものの、情報共有したことで組織として早めの対応ができることは企業として大きなメリットです。また、別のメリットとして、情報共有することでスタッフ個人への精神的負荷の削減にもつながっています。

PROナビによる情報共有はアスクラボの貴重な・大きな財産となっています。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙