弊社は企業向けの研修サービスを行っていますが、企業の研修責任者の方々と情報交換の際によく耳にするのは、「社員のコミュニケーション力が低下しており危機感を持っている」ということです。

人は自分の意志を言葉、表情・しぐさ(視覚情報)、声の大小・話すスピード(聴覚情報)で表現しています。自分と常に接している身近な人は、比較的率直な言葉で表現をしてくれますが、ビジネスにおける交渉相手となるとなかなかそのようにはいきません。
相手の印象(好感・共感が持てるか否か等)や対応した際の状況や環境(余裕があるか否か、第三者がいるかどうか等)によって、率直に言葉では表現をしにくい、あるいはあえて率直に表現しないということが生じます。その場合、意図せず(あるいは意図して)言葉以外の視覚情報や聴覚情報で意志を表現することが多くなるのです。

過去にもメルマガで紹介しましたが、私は学生時代に趣味の一環といった程度ですがボディランゲージについて学びました。当時担当の教授より、毎朝の洗顔のときに鏡に映る自分の表情をよく観察しなさいと言われました。鏡に映る自分を観察してみると、試験の成績が良いときと悪いとき、友人との人間関係の良いときと悪いとき、体調の良いときと悪いときでは、すべてで表情や目つきが違い、その違いこそが言葉以外のボディランゲージであると教わりました。

かなり以前、弊社スタッフとお客様に提案説明を行った際のことです。スタッフの説明を聞くお客様を見ていると言葉では表現されないものの「そこの説明は簡単でいいから・・・」、「その部分の説明は興味がないから・・・」というボディランゲージ(表情やしぐさといった視覚情報)をされているのにもかかわらず、弊社スタッフはそれに気付かず、同じ調子で丁寧に説明を続けて内心ではヒヤヒヤした覚えがあります。

また、今まで仕事やプライベートで多くの人と出会った中には、こちらのアドバイスや注意が気に入らないと口調・言葉が通常より丁寧になるという人もいました。それもボディランゲージの一種ですが、その人と会話をしていて言葉が丁寧になる傾向がみられると、それとなく話題を変えた覚えがあります。

誰もが簡単に視覚情報として理解できるボディランゲージがあります。それは、面会の相手が時計を見はじめたら「もうそろそろ終了時間です」という意味です。そのような情報が読み取れなかったら「空気の読めない人」と判断され、いくら言葉で立派な表現をしても相手から好感や共感を持たれることはありませんし、ビジネスとして業績を上げることは非常に難しくなると思われます。

冒頭の「コミュニケーション力の低下」とは、まさに言葉以外の視覚情報や聴覚情報といったボディランゲージを読み解く力が低下していることを懸念されていることに他なりません。
コミュニケーション低下の一つの要因として、メールやスマホ、SNSなどの普及・利用が考えられると思います。それらを利用したコミュニケーションは言葉を文字で伝達をしているのであって、あくまでコミュニケーションの要素の中の一部分であり、視覚情報や聴覚情報は概ね含まれていないことを理解すべきです。言葉の伝達のみで「コミュニケーションが万全に取れている」と勘違いをすると、たとえ優れた技術や経験を持っていたとしても、ビジネスの重要な場面で交渉が上手く進まなかったり、チーム活動が上手く捗らなかったり、プライベートでも好感を持たれないというケースに直面することが多くなると思われます。

メディアや通信技術がいくら進歩しても、B to Bのビジネスでは最後は人対人のコミュニケーションが重要となります。言葉以外のボディランゲージ、つまり視覚情報や聴覚情報も含めたコミュニケーションが重要な位置を占めることとなるのです。

※PROナビとトップアプローチ研修
弊社の商品である「PROナビ」(組織営業力強化システム)は、組織内で情報を伝達・共有し、組織営業力を発揮するための仕組みです。また、弊社サービスである「トップアプローチ研修」では、経営トップ層(経営者層)へのアプローチに必要となる視覚情報や聴覚情報を読み解くための内容も取り入れています。
アスクラボは、言葉、視覚情報、聴覚情報を含めたコミュニケーション力の向上を基に、企業競争力の向上を目指した商品・サービスを提供しています。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙