背伸びのリスク【アスクラボメールマガジン2017年2月6日号】

現在の私は、営業活動やプレゼン、講演や研修など人前で説明や話をさせていただくことが多いのですが、大学を卒業してビジネス社会に入りたての頃は、人前で話すこ とが苦手で嫌いでした。理由は緊張してあがってしまい、言葉に詰まって上手く話せ なかったからです。

その当時のことですが、弊社主催のセミナーで商品プレゼンを担当することになり、苦手ながらも前日までに何度も練習して話す内容を覚えました。しかし、いざ本番となったとたんに覚えたことが頭から消え去り、自分でも何を話しているのかわからなくなったことがありました。
そんな私が、現在のように人前で話す仕事に対応できるようになったのには、あるきっかけがありました。それは友人の結婚披露宴で挨拶を頼まれたときのことでした。何度も練習して当日に臨んだものの、マイクの前に立つとやはり緊張してあがってしまい、結局、何を話したのかわからない状況になってしまいました。

どうして緊張してしまうのか?
どうして練習した内容が頭から消えて出てこなくなるのか?
その日の夜、上手く挨拶ができなかった自責の念を込めて改めてじっくりと考え、 自分なりに気付くところがありました。

それは、自分をより良く見せようとしすぎているのではないか?ということと、参列 者のウケを狙って今の自分にはふさわしくない(経験が足りていない)表現や言葉で 話そうとしていたのではないか?ということです。
確かに、披露宴の参列者が感心するような・他の人より印象に残るような挨拶をしようと気負っていました。その当時の自分には分不相応な「背伸びをした」挨拶を試みていたのです。
背伸びをしているのだから当然無理が生じます。その無理が緊張をもたらし、緊張のためあがってしまい、結果として何を話しているのかわからない状態になっているという結論に至りました。

その気づき以降、人前で話をするときは、上手くしゃべろうと無理をしないで、今の自分のそのままで、背伸びをしないで表現することにしました。
そして、話を聞いている人の反応を見て自分の実力を判断し、それを将来の糧にしようと心に決めたのです。それからは嘘のように緊張がとれて、思ったままのことが話せるようになりました。
会社の運営・マネジメントも同じだと思います。
自社の商品・商材、スタッフのスキルやモチベーションなど、自社の実力を相応に判断した運営・マネジメントが求められるのです。自社の実力を無視した数字で背伸びした計画を立てても、必ず将来的には無理が生じ、トラブルや事故など会社の存続が一瞬で危うくなるようなリスクを抱える可能性が高くなると考えています。
事実、超一流の企業であっても、一瞬にして会社の存続が厳しくなるケースを目にします。これらも現実の企業の実力を無視した数字を追いかけた結果だと思います。

 追記
弊社開発の組織営業力強化システム「PROナビ」は、マネジメント、管理者・スタッフのスキル、組織連携、市場の評価・情報などから自社の現在の実力を共有化し、そこから見える課題を関係者で改良・改善し、実績数字を上げて利益を出していく仕組みです。 

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙