8月の世界陸上が終わったころ、NHKで大変興味深い番組を放送していました。それはスポーツにおける「戦略」をテーマにした番組で、その内容はバレーボールや陸上競技などで国際的な試合を行う際、それぞれの種目の監督に共通する「戦略」に着目したものでした。

国際的な試合を行う際、日本のスポーツ選手は欧米選手に比較して肉体的・フィジカル的に劣っているということが大前提になります。様々な種目において、その前提を踏まえて戦略を立てるということが共通する部分です。
 
相手に比べて優っている場合、特に戦略を立てなくても戦えます。しかし、相手に比べて劣っている場合は、その条件を前提にした戦い方を考えます。それが結果として戦略になります。つまり、劣っている場合は戦略がなければ相当の戦いができないため、必然的に戦略が磨かれていくという内容でした。

番組で取り上げられていた例は、北京オリンピックでの男子4×100mリレーに関する戦略でした。陸上競技の中でも特に短距離は、日本人選手の肉体的・フィジカル的な劣勢は顕著です。その前提で考え出された戦略がバトンパスでした。リレーのバトンは通常であれば上から次の走者に渡すのが一般的ですが、その際にはスピードがダウンしてしまいます。そのため日本チームは、バトンパスで比較的スピードを落とさないアンダーハンドパスを取り入れたのです。走る部分では劣るため、バトンパスでのスピードロスを抑えて戦うという戦略です。

しかし、アンダーハンドパスは難しかったため、リレーメンバーは練習に練習を重ねてオリンピックに臨み、その結果3位入賞で銅メダルを勝ち取ることができたとのことでした。

次に取り上げられていたのは、昨年のロンドンオリンピックでの女子バレーボールにおけるIT活用の戦略でした。これはオリンピック後に多くの番組でもとりあげられて、IT端末を持って指揮する監督の姿が話題にもなりました。ITを活用した情報分析の結果の一つとして、トスからスパイクするまでの時間というものがありました。過去の試合情報を分析したところ、日本チームがトスを上げてスパイクを打つまでに1.5秒以上かかると、相手チームのブロックがダブルになりほとんど防御されるという結果が出たのです。そのため、1.5秒を下回るスピードでスパイクする練習を重ねたそうです。ITを活用した戦略の結果は、3位入賞・銅メダルでした。

さて、以前にもメールマガジンで取り上げましたが、弊社も営業力強化ソリューションのPKGメーカとしては非常に後発で無名な会社です。欧米のアスリートと比較した日本人選手のように、体力的フィジカル的に劣っている、あるいは遅れていることを前提として戦略を立てざるを得なかったのです。先行している外資系を含めた大手企業に対して、限られたリソース・資金・人材で戦うには、類似した機能や営業活動ではおそらく同じ土俵に上がることすら不可能であると私は考えました。そこで、弊社では「お客様を知る」、「ブームは追わない」、「本質を追いかける」、「現場を知る」、「現場を支援する」
といったテーマに沿って商品・サービスを作ってきました。その一つの結果がPROナビ「ユーザエネルギー」(特許取得済み)という仕組みです。

ユーザエネルギーは、営業活動における相手側のアクション、リアクション、ポジション等々により配点を行い、その合計点(いわばユーザの本気度を点数化したもの)で商談の受注可能性を数値化し、受注確度をスクーリニングするという機能です。これは、商談において相手(お客様)も本気であれば相応のアクション(工数)を費やすはずという視点と、「上司に受注確度のヒアリングで攻められる時間が一番ストレスです」というあるユーザの現場担当者の意見から、何とか現場を支援しようという思いにより生まれたアイデアです。

           アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙