真っ暗な部屋に被験者を一人にして外部と遮断します。数分経ってから被験者を部屋から出し、脳波を測定するという心理学実験を聞いたことがあります。

最初の被験者には詳細な説明を何もしないで真っ暗な部屋に入ってもらいます。施錠して外部と遮断し、その後5分ぐらいで被験者を部屋から出して脳波を測定すると、正常値とは違う(少なからず異常な)値が計測されるそうです。

次の被験者には「10分経ったら部屋から出します」と予め説明をして真っ暗な部屋に入ってもらいます。10分後に被験者を部屋から出して脳波を測定すると、正常値と変わらないのだそうです。

この実験結果には「情報」・「予測」ということが大きく影響していると思います。

人間は、自分自身で具体的な情報を基に予測が立てられると、厳しい環境にあっても精神的に安定を得て平常心を保つこともできるのですが、厳しい環境に対して「いつ改善されるのか?」、「解決に向かっているのか?」、「現状がどのくらい改善・解決されているのか?」など、具体的な情報がない状態にあると、自分自身で予測を立てることができず精神的にも不安となり、平常心を保つことが難しくなることを表しているのだと思います。

これは、ビジネスにおいても当てはまります。

多くの企業の上層部は、経済状況が厳しくなると実績数字の管理をより強化し、精神的な激励を行うようになります。一般のスタッフは、上層部から告げられた何も裏付けのない数値目標に対し、叱咤激励を受けることとなります。
具体的な情報が示されない状態では、厳しい経済状況に対する予測が立てられず、スタッフの不安が解消されないままで行動も阻害されてしまいます。つまり、予測ができない不安な状態では、スタッフの潜在能力、組織全体の能力も発揮できないのです。

組織としてどのような方針が示されるのか?
スタッフそれぞれがどのような役割を担うのか?
目標に向かって誰がどのように行動するのか?
全体の進捗はどのような状態なのか?
といった、実績数字を上げるための裏付けとなる具体的な情報が示され、かつ、スタッフ自身がそれらを理解し・納得することではじめて「予測」が可能となり、不安の解消ができるのではないでしょうか。

企業が収益を上げるためには、営業が商品・商材、サービスを販売し、生産・技術がものづくりを行い、サポートスタッフがサポートを行い、競争力を保つため常に市場の変化に合わせて改善・改良を行うことが必要です。そして、企業としての目的を達成するためには、企業としての方針・指示について、各スタッフそれぞれが明確に役割を理解して、自分自身の中で組み立てができるだけの情報が必要となります。

厳しい経済環境の中、スタッフの不安を取り除き、組織力を活かすためには、具体的な「情報」による「予測」が不可欠なのです。

(追記)
弊社開発のPROナビは、今現在の提案数、その提案に対するユーザの反応、提案に関する営業・技術の活動と連携や進捗の状況、また、新商品の開発状況、コンペティターの動き等々、これらについてスタッフがそれぞれにモニタリングできる仕組みです。
各スタッフが会社の方針・指示を理解し、モニタリングした情報により自分自身で行動の組み立てや予測ができるよう、PROナビが支援します。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙