私は学生時代に、ボディランゲージについて少し学びました。
ボディランゲージは、身体言語のことで、音声言語に頼らず身振りや動作、顔の表情などで相手に意思を伝える、あるいは意思を読み取るというものです。

当時、担当の教授より次のようなことを教わりました。
動作や顔の表情で他人の気持ちを読み取るためには、他人を観察する前にまず自分を観察すればよい。具体的には、朝起きて顔を洗う時に、鏡に映る自分を観察してみると、精神的・肉体的に好調の時と不調の時、人間関係が上手くいっている時と上手くいっていない時では、自分の表情が違うはずである。他の人も同じで、不安な時やトラブルを抱えている時、人間関係がうまくいっていない時は、表情や目つき、話すスピードなどに変化が表れる。
それに加えてもう一つ、人間は不安になるとおしゃべりになる・・・というようなことを教わり、その当時は「そんなものか」程度に感じていました。

しかし、社会人になって約30年に渡り、営業活動とマネジメント業務を行う中で、教授から教わったことを実感することが度々ありました。
現在、私は会社のトップですが、スタッフに問いかけられることの多くは「不安」であり、その不安を解決することは、トップとしての重要な仕事です。
「この先会社がどうなるのか?」、「自分はどのように行動すればよいのか?」等、スタッフは様々な不安を抱えています。しかし、スタッフは不安の内容をすべて口頭で話してくれるわけではありません。
さらには、話してくれるのを待っていては、問題の解決・不安の解消が手遅れになる場合もあります。そのような時、スタッフのボディランゲージから意思を読み取り、対応したことが度々ありました。
そして、「人間は不安になるとおしゃべりになる」と教わった内容は、まさに「企業は業績が悪くなると会議が多くなる」とまったく同じであると実感しています。

ここで少し視点を変えますが、では何故、人は「不安」になるのでしょうか?
その本質は、「やるべきことを先送りせず、実行しているかどうか」ということではないでしょうか。これは個人でも会社でも同じことが言えると思います。
個人も会社も同じことで、問題や課題を先送りしないで、やるべきことを行っていれば、不安は解消されるはずなのです。
営業力を売上実績や受注実績という「数値」のみで測るのではなく、やるべき行動を決めて、それを実行していけば、会社の不安も幾分か解消され、不安解消のための会議も少なくなるのではないでしょうか。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙