弊社では、会社設立の当時は、管理者もスタッフも常に「現場主義」であった為、目的意識の共有、情報の共有が必然的になされていました。その結果、チームとしての仕事ができていました。

ユーザ数0、売り上げ0という状態でのスタートであった為、新規開拓の営業活動を行い、他社のユーザに食い込まなければ会社が存続できないということを、管理者もスタッフも理解していました。つまり、先にもあげましたが「目的意識の共有」や「情報の共有」が出来ていたのです。

管理者も営業スタッフの一員として、受注を上げるために常に現場へ出向き、現場の状況をリアルタイムに掴んでいたため、スタッフの状況や苦労も充分理解していました。
その時の組織は、「上司と部下」という関係よりも、むしろ同じ目的に向かう「仲間・同士」という意識の方が勝っていたかもしれません。その結果、非常に密度の高いレベルでコミュニケーションが取れていました。

そして、スタッフ自身が、管理者(経験者)の“仕事ぶり”を目の当たりにし、つぶさに見ることが出来ていましたので、管理者の経験・スキルに対してある種の尊敬を持つことができてもいました。これは日常の業務がそのままOJTになっていたということです。

設立後、会社がその年数を重ねユーザが増加すると、社内体制としての上下関係や部署というものが整ってきました。
しかし、それとともに上司と部下の関係や他部署との関係が希薄になり、個人主義が蔓延しはじめ、チームとしての仕事が機能しなくなったのです。
その結果、会社としての営業力は低下することとなり、私は会社の将来に対して危機感を持ちました。

ユーザの増加とともに、既存ユーザのリクエストへ答える「御用聞き」的な営業を行っていれば、それなりの受注を上げることができたため、それが「営業」を行っていることであると捉えてしまった“第二世代”の営業が社内にできて
しまったのです。
その結果、新規開拓営業に必要となる「提案型営業」ができなくなり、ユーザのリクエストに答えるだけの「リクエスト営業」が主になってしまいました。

管理者も、以前のように自分が現場に出向かなくても、ユーザからのリクエストがある限りスタッフがそれなりの受注を上げるため、それらの受注実績数字を管理するデスクワークが主となり、「管理する」ことが自身の仕事であると思うようになりました。
その結果として、現場スタッフとのコミュニケーションがとれなくなり、目的意識の共有や情報の共有も困難となり、上司と部下の乖離を引き起こすこととなりました。

それと同時に、「成果主義」という言葉が本来の意味から外れたままで一人歩きし、「自分の評価にならないことには手を出さない!」というような個人主義が社内に蔓延してしまいました。
そしてそれは、チーム活動を妨げ、組織連携をマヒさせるという結果をもたらしました・・・。

このような課題を解決するために、弊社内で実際に取り組んだ事例や、その取り組みについてどのような苦労を経験したか、また、弊社内のみの経験だけでなく、大手企業をはじめ様々な企業に対して、組織営業力強化のお手伝いをさせていただいた経験を、今回の本にまとめてみました。

実経験に基づいた内容であり、具体的にわかりやすくまとめたつもりです。
ご興味のある方は、是非、読んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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日本企業が忘れかけている「組織力」こそ、最強の営業力を実現する原動力だった。
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 発行元:日経BP社 1,890円(税込)

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アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙