「組織の壁」以前に組織の中に壁が・・・【アスクラボメールマガジン】

私は社内でシステム開発に携わっているのですが、開発に際して以下のような事態に遭遇致しました。
皆様も場面は違っていたとしても同じような体験をされたことがあるのではと思いご紹介させていただきます。

私とAさんは同じ開発基盤を利用してシステム開発を行っています。
席も隣同士です。
ただし、私とAさんは関わっている案件が異なっていて、仕事上で接触する機会は多くありません。
また、社内の会議も案件ごとに実施されることが多く、意見交換も案件内で完結していたため、Aさんとの情報共有はとても希薄なものとなっていました。

これはその案件のみの活動を考えるのであれば、大きな問題ではないかもしれません。
しかし、案件の壁を越え、「同じ開発基盤を利用しているメンバー」として考えた場合、これは大きな問題となるのではないでしょうか。

例えば、Aさんが開発基盤に対して問題を発見したとき・・・
Aさん:「なんだこれは!?この○○関数を利用していたら大変なことに!!。早速報告だ。」

~Aさん担当案件の打ち合わせにて~
Aさん:「というわけで、この○○関数を利用している箇所は全て見直すべきです。」
案件メンバー:「そうか。○○関数はいつも利用していて問題ないと考えていたが、危ないところだった。よし!早速対応を始めよう。」

~その頃Aさんと別案件の私は、そんなこととは露知らず~
私 :「この処理にはいつもの通り○○関数を用いれば良いな。ふんふん。」

私はAさんの発見した○○関数に関する問題を知ること無く、開発を続けてしまいます。
そして、開発も終盤を迎えた頃にAさんに指摘を受け、その問題に気付くことになりました。

この時はお客様に提供する前にたまたま気付く機会があったので良かったのですが、全く気が付かずにお客様に提供してしまう可能性もあります。また、不具合に気付いたとしても、既に見つかっている問題とは知らず、新たに調査を行い、時間を浪費してしまうこともあるでしょう。

10数人が所属するのみの小さな組織なのですが、それでも情報伝達はなかなかままなりません。

そこで取り組んでみたのが、「PROナビ」を用いて同じ開発基盤を利用しているSE同士の情報共有を促進させることです。
「PROナビ」は、案件ごとに担当営業・担当SEなど情報共有先を選択し、相互に情報共有していく仕組みをもっています。
そこで、その情報共有先を同じ開発基盤を利用しているSEとし、不具合情報や開発のコツなどを情報登録していくこととしました。

上記の例で例えるなら、例えば、Aさんが開発基盤に対して問題を発見したとき・・・
Aさん:「なんだこれは!?この○○関数を利用していたら大変なことに!!。早速報告だ。そして、PROナビにも情報登録して、みんなに広めておこう。」
といった感じでしょうか。

ともあれ、そうすることにより、SE同士の情報共有をはかりやすくなり、問題解決の速度向上、「同じ轍を踏む」危険性を抑えるなどの効果を得ることが出来ました。

効果を体感することができれば、「情報を提供する」という意識の向上にも繋がります。
以降、開発における基礎知識や応用知識、その他雑学に至るまで情報共有を行い、微力ながらも組織力の強化に繋がっているものと思っています。

「PROナビ」は「組織の壁を超える」ことを特徴のひとつとしていますが、もっと小さく基本的、根本的な「組織内の壁」を超える処方箋にもなりえるのだと改めて実感しました。

(アスクラボ株式会社 ソリューション技術部 飯綱 昭憲)