弊社は、組織営業力強化システム「PROナビ」を開発・販売していますが、そのシステムには商談に対するユーザの”本気度”を”客観的”につかむための「ユーザエネルギー」という機能があり特許も取得しています。
この「ユーザエネルギー」は、商談相手であるお客様の行動や反応(面会、電話、メール返信等々)に配点し、相手の役職や面会人数、アクションの内容によって加点し、得られたポイント(数値)によってステータスの上下を視覚的に見ることができ るという仕組みです。ここで重要なのは、あくまで商談相手であるお客様側の行動・反応により得られる数値であるということです。売り手側の行動には点数を配していないため、お客様がその商談に費やすエネルギー=「ユーザエネルギー」として、 客観的なステータス管理を実現しています。

「ユーザエネルギー」の仕組みを考え付くに至った原点は、40年以上になる私の営業経験と学生時代に学んだ行動心理学にあります。商談に興味を持たれているお客様には共通の反応があり、受注につながる商談には共通したお客様の反応と行動があるという私の確信がシステム化のスタートでした。

以前のことですが、弊社営業会議で重要案件の打ち合わせを行ったとき、関係者の多くが「この案件を受注できる可能性は低い」と報告するなか、私だけが「受注の可能性は高い」と発言したことがありました。その後その案件は受注となり、関係者から 「なぜ受注できると思っていたのですか?」と質問を受けました。その案件に関する日報を見ている限り、お客様から質問があり、その商談にかかるお客様側の関係者も増加しており、弊社スタッフが送ったメールにも必ず反応がありました。私の営業経験から、受注案件となる場合のほとんどで同様の反応があります。
・お客様にアポイントを申し込んで快く面会してくれた
・お客様から商談に関する質問や問い合わせがあった
・最初の面会は担当者のみだったが、次にはメンバーが増えて役職者まで同席された
・経営に影響するような商談の場合は、経営者にも面会できた
文章にして並べてみると単純なことかもしれませんが、これらの行動・反応の有無が受注・失注の傾向として顕著にあらわれているのです。

さて、「ユーザエネルギー」のシステム化を思いついたとき、その当時のPROナビ開発担当SEに「ユーザエネルギー」の仕組み・考えを説明してシステム化の依頼をしましたが、「社長、これを人に話したら笑われますよ」というのが、そのSEの最初の反 応でした。しかしそのSEが、弊社で実際にPROナビに登録している商談日報について、お客様の行動・反応を配点・加点ルールに従って手作業でポイントを入れてみたところ、受注した案件でほぼ共通に、一定の水準を超えたエネルギー値であることが確認できたため、そのSEもやっと本気になってシステム化に取り組んでくれました。

人間は同時に同じレベルで複数の人に好意を持つことはほとんどの場合は不可能で、それぞれに費やすエネルギーにはどうしても差が出ます。一番好意を持っている相手には、より多くのエネルギーを費やすため、その次以降の相手に費やすエネルギーは 低下していきます。ビジネスに置き換えると、お客様は「断りやすい相手」から断る傾向があります。商品・商材についてライバル企業と大きな差がなければ、「断りにくくする」ということも受注の可能性を高めるための手段となります。つまり、お客様から多くのエネルギーを費やしていただけると、コンペチターに対してのエネルギーを低下させる可能性もあり、その結果受注につながる確率が高くなると思っています。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙