最近、新たに創業した企業数社を訪問する機会がありました。その新たな企業には共通している部分があり、訪問した私は共感を得るとともに大きな刺激を受けました。

共通しているのは、オフィスの雰囲気です。表現が難しいのですが、「会社」という体裁を取り繕っているのではなく、目的達成のための同志が集っているようなエネルギーが感じられたのです。担当者、管理者、経営者を問わず、だれに聞いても会社の方針や目的を明確に話すことができ、上司・部下といった力関係もあまり感じられず、悪口や批判などはほとんど聞きません。話題の中心は「市場がどのように動き、自社がお客様のために何ができるのか」といったことに終始し、担当者、経営者問わず当事者意識が感じられました。それは、自らの目指すところとして方針や目的の同期がとれているからだと思います。私は、そんな熱気とエネルギーに満ちたオフィスの雰囲気に、共感と刺激を受けたのです。

大手企業では、会社の方針や目的が形骸化しがちです。会社の方針や目的以前に、社員は自分の立場として目先の数字を上げることに終始し、意見を押し殺して黙々と行動せざるを得ません。押し殺した意見は、上司から部下への、あるいは部下から上司への批評・不満となっている例をよく目にします。大手企業は社員数も多いため、管理が主体となるのはある意味やむを得ないかとも思います。しかし、言葉は悪いですが、なんだかんだといっても大手企業はネームバリューも、資金も、人材も、人脈も持っており、企業としての基礎体力があるのです。

新たな企業と大手企業の間で、弊社を含めた中堅・中小企業はどうでしょうか?ビジネスという道を進むとき、前方には先行する大手企業が存在し、後ろからは新たな企業が独自性のある新たなビジネスモデルで追いかけてきます。
そんな中で、中堅・中小企業がどのように生き残り発展すればよいのでしょうか?

私が一番に危惧しているのは「あたりまえ」という感覚です。「今の環境があたりまえ」と感じたときから衰退が始まると私は思っています。弊社を含めて社歴が長くなると、お客様との関係、商品開発の流れ、会議の雰囲気なども固定化され、企業の風土や文化、就業条件なども含めて「今の環境があたりまえ」になります。企業としての年月を重ねた結果であり、あたりまえと感じるのは仕方のないことかもしれません。しかし、基礎体力を備えた大企業と同じ感覚で競った場合、大手企業の方がはるかに優位なのです。創業間もない新たな企業ではどうでしょうか。目的や志を同じとしたスタッフは、お客様も収入も、企業風土や文化も、福利厚生も、与えられるものではなく、皆で獲得し・自らが作り上げていくものという環境にあります。そこには「あたりまえ」という感覚は存在しないのです。

私が師と仰ぐ地元のご住職に、「千日修行」の話を聞いたことがあります。千日修行の中には、飲まず、食わず、眠らず、を9日間続けるというものがあるそうです。私たちは、のどが渇くと水分をとり、おなかがすくと食べ物をとり、眠たくなると睡眠をとるのがあたりまえですが、その修行が終わるとすべてがあたりまえではなく、すべてが「ありがたい」と感じるようになるということです。

「今の環境があたりまえ」ではなく「創業時のマインド」で向かうことが、中堅・中小企業にとっての活路であると私は思います。

■PROナビで「あたりまえ感覚」の排除
「あたりまえ感覚」が企業の競争力を徐々に低下させていくことは否めません。その危険を削減するために、PROナビ(組織営業力強化システム)が活用できます。PROナビで商談情報を社内共有することにより、良い話や悪い話を含めた正直な情報が蓄積されます。また、フェイス・トゥ・フェイスで生じる役職・立場の影響を緩和するとともに、役職・立場の上下関係なく意見交換を行うことができます。PROナビというシステム上では、創業間もない企業環境に近づけることができるのです。

アスクラボ株式会社 CEO 川嶋 謙